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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻3号

1977年03月発行

文献概要

今月の主題 熱性疾患への臨床的アプローチ 発熱の基礎

体温のセットポイント

著者: 入来正躬1

所属機関: 1東京都老人総合研究所生理学部

ページ範囲:P.320 - P.322

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 体温調節に関するセットポイントの考え方は,生体の調節系の研究に制御工学の進歩をとり入れる際に始められた.元来,制御工学の分野での概念であるため,体温調節機構でのセットポイントの考え方が単なるシミュレーションにすぎないのか,実際の現象として把握できるものなのかについて未だに論議されつつある.しかし,多くの現象がこの概念を用いることによって容易に説明できるので,体温調節機構を考える際にひろく用いられている.本稿では,基本的な考え方についてのみ御紹介したい.
 制御工学で,負のフィードバックをもつ最も基本的な制御系を図1Aに示す.この系では制御対象変数と標準値の差が誤差としてとらえられ,制御要素を動かす.荷重誤差信号としてのとらえられ方は図1Bに示され,制御対象温度信号が標準信号と等しい温度がセットポイントの温度となる.前者が後者より高い場合には正の荷重誤差に,逆の場合には負の荷重誤差となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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