文献詳細
文献概要
内科臨床に役立つ眼科の知識
複視
著者: 松井瑞夫1 伊藤研一1
所属機関: 1日大眼科
ページ範囲:P.432 - P.433
文献購入ページに移動両眼性複視の確認
複視は中枢神経系の疾患にかなりみられる眼症状である.今回ここでとりあげる複視は,もちろん両眼性複視binocular diplopiaであり,眼筋麻痺が原因となっているものである.両眼性複視に対して単眼性複視monocular diplopiaという訴えもかなり多いが,多くの場合,焦点が合わない状態を患者が「物が二重に見える」というもので,複視でないことが多い.真の単眼性複視は,水晶体脱臼などのときにみられる非常にまれなものである.
まず,中枢神経系疾患の患者が複視を訴えた場合,これが両眼性複視であることを確かめる必要がある.このためには,まず—眼を閉じさせてみるとよい.両眼性複視であれば,このとき複視はなくなるはずである.次に,眼筋麻痺による両眼性複視には,方向性があるということも大切なことである.たとえば右を向いたとき,あるいは左上を向いたときに,複視がひどくなるといった訴えである.
複視は中枢神経系の疾患にかなりみられる眼症状である.今回ここでとりあげる複視は,もちろん両眼性複視binocular diplopiaであり,眼筋麻痺が原因となっているものである.両眼性複視に対して単眼性複視monocular diplopiaという訴えもかなり多いが,多くの場合,焦点が合わない状態を患者が「物が二重に見える」というもので,複視でないことが多い.真の単眼性複視は,水晶体脱臼などのときにみられる非常にまれなものである.
まず,中枢神経系疾患の患者が複視を訴えた場合,これが両眼性複視であることを確かめる必要がある.このためには,まず—眼を閉じさせてみるとよい.両眼性複視であれば,このとき複視はなくなるはずである.次に,眼筋麻痺による両眼性複視には,方向性があるということも大切なことである.たとえば右を向いたとき,あるいは左上を向いたときに,複視がひどくなるといった訴えである.
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