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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻4号

1977年04月発行

文献概要

今月の主題 内分泌疾患診断の進歩 知っておきたいホルモン

ソマトメジン

著者: 高野加寿恵1

所属機関: 1東京女子医大内科

ページ範囲:P.520 - P.521

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歴史と定義
 ソマトメジン(Somatomedin1))は,成長ホルモン(GH)の骨格組織への作用を仲介する物質として注目されてきたものである.1957年にSalmonとDaughadayは,下垂体摘出ラットの血清の軟骨への35Sの取り込みは正常ラットのそれよりはるかに少ないことを認めた.しかし,この35Sの取り込みは,GHをin vivoで投与すると促進されたが,in vitroで加えたのでは促進されなかった.これは成長ホルモンが体中でなんらかの物質を介して作用すると考え,この物質を"sulfation factor"と命名した.その後,sulfation factorが純化され,その作用についての研究が行われた結果,この因子は軟骨へのsulfateの取り込みを促進するばかりでなく,筋,脂肪組織においてインスリン様作用を示すことが明らかになったので,1972年,Daughadayらはこの因子にソマトメジンという言葉を使用することを提唱した.
 現在その定義については,学者によって必ずしも一致していないが,広義の意味では,血中に存在するGH依存性の成長因子であり,狭義の意味では,前項に加えて軟骨のsulfateまたはthymidineの取り込みを促進し,しかも標的組織に対してはインスリン様作用を持つ物質であるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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