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雑誌目次

雑誌文献

medicina14巻5号

1977年05月発行

雑誌目次

今月の主題 めまいの基礎と臨床 座談会

「めまい」の診断と治療

著者: 小松崎篤 ,   長島親男 ,   筒井末春 ,   田崎義昭

ページ範囲:P.634 - P.646

単に「めまい」といっても,その発症には複雑な要因が絡み合っており,中には重篤な疾患が根底に潜んでいることも多い.最終的な診断は各種検査法によって下すことになるが,日常診療に際して困ることは,その病態の複雑さゆえに,診察が診療各科にまたがることである.今回はそのような点を整理する意味で,ご専門の立場から,診断と治療に焦点を絞ってお話しいただいた

「めまい」に関する解剖と生理

前庭系の解剖

著者: 金光晟

ページ範囲:P.648 - P.649

はじめに
 皮膚知覚系,視覚系,聴覚系などは伝導路の直列的配列によって終脳新皮質に到達しており,比較的単純な図式で要約できるのに対し,前庭系はいささか様子が異なっている.すなわち,前庭神経の終止核である前庭核は小脳,脳幹網様体,脊髄前柱,問質核,視床腹外側核などの錐体外路系構造物と放散的に神経結合をもっている.つまり,体性知覚として分類される平衡覚は中枢において直ちに体性運動系に組み込まれるわけである.平衡覚が頭部固有知覚と解釈される所以であろう.
 筆者は「めまい」が前庭系と具体的にどのような関係をもつかについてまったく暗い.本稿では前庭系の中心的構造物である前庭核の細胞構築にふれ,該核の求心路と遠心路について略説しようと思う.

前庭系・視覚系の病態生理

著者: 福田精

ページ範囲:P.650 - P.653

 はじめに 「めまい」の主題について,編集部のはじめの依頼"前庭系の病態生理"に対して,筆者は"前庭系・視覚系の病態生理"と視覚系の3字を加えて執筆するよう返事した.病態生理の観点から視覚系の「めまい」が確実にあることを記し,この認識を基いとして,「めまい」に関する研究は,日本において独特の進歩をなしていることを紹介したいからである.
 第8脳神経は聴神経あるいは第8対神経と呼ばれる.蝸牛神経と前庭神経よりなり,前者は蝸牛を末梢器として聴覚を司どり,後者は前庭器(前庭三半規管,あるいは前庭迷路)を末梢器として身体平衡に与る.前庭性の「めまい」が,すなわちこの前庭神経の末梢から脳幹にある前庭核およびその走行のいずこかに病変があれば,「めまい」が発来することは周知のことである.末梢の前庭器に水腫hydropsが起こるとメニエール病,また聴神経に腫瘍ができると難聴と「めまい」が発来し,脳幹の前庭核に血流障害をきたすワレンベルヒ症候群では「めまい」が主症状であるがごときで,小脳疾患にしばしば発来する「めまい」も,前庭神経および前庭核と小脳は発生上,一部は前庭小脳と呼ばれるほど密接な関連があるゆえに,やはり前庭系に発来する「めまい」と考えられていて異論はない.

前庭神経核の機能

著者: 上村卓也

ページ範囲:P.654 - P.655

はじめに
 前庭神経核の機能はニューロンのレベルにおける微細生理学的方法と並行して,動物の行動(behavior)面に現れる刺激ないしは破壊の影響を調べる実験症候学的方法によって研究されてきた.このうち後者の,サルにおける前庭神経核破壊実験の結果と,それがヒトにおける前庭神経核障害の症候とどのように対応するかについて述べたい.

半規管系の特徴

著者: 鈴木淳一

ページ範囲:P.658 - P.660

はじめに
 半規管系は耳石器系より分離発達し.もっぱら頭部の回転に反応することにより.身体の平衡機能を維持している.左右6個の半規管は.2つずつペアをなし.互いに直交する平面の中にあり.3組と考えてよい.1個の半規管はそれが刺激されると、ペアの他の1個は抑制され,反応は同じものを誘発するが.2者が重なっておよそ2倍の効果をつくりだしている.
 半規管反射は動眼反射と脊髄反射とに分かれる.いずれも極めて機械的に明快な反射連動を誘発する.すなわち.Flourens-Ewaldがハトの頭部運動について述べた法則が.高等動物の2つの反射についてもそのままあてはまる.以下.単一半規管神経の電気パルスを用いた刺激実験の結果2,3を説明し,半規管反射の実体を明らかにしたい.

「めまい」の検査法

めまい症例の神経学的検査法

著者: 濱口勝彦 ,   飯国紀一郎

ページ範囲:P.662 - P.663

はじめに
 「めまい」は回転性めまい(vertigo)と,非回転性めまい(dizziness, giddiness)に分けられる.一般に回転性めまいは前庭系障害にみられ,内耳,前庭神経,脳幹部および小脳のいずれかの障害によることが多い.一方,非回転性めまいは,各種の疾患と関連するが,心理的要因の強い動揺性ないし浮動性めまいと,起立性低血圧その他一過性脳血流減少による失神型または眼前暗黒型めまいとがある.

平衡機能検査法

著者: 坂田英治

ページ範囲:P.664 - P.671

はじめに
 ほとんどあらゆる臨床において,しばしば「めまい」という訴えに遭遇する.しかしながら,「めまい」は頭痛や発熱などと同様に多くは対症療法で一時一時をすごし,原因を徹底的に探索し,「めまい」の発現機構に基づいた適切な治療に至らないのが実際ではなかろうか.
 これについてはいろいろの原因があろう.「めまい」の検査は,いわゆる“diffuse system”を対象とするために,複雑多岐にして精微にすぎ,しかもその成績の判定基準が必ずしも一定していないことも数ある理由の一つであろう.

めまい症例のX線検査—単純撮影と断層撮影

著者: 蜂屋順一

ページ範囲:P.673 - P.676

はじめに
 「めまい」をきたすことのある疾患の検索に単純撮影および断層撮影が有用な場合は比較的限られている.撮影の対象はほとんど側頭骨と考えてよい,このほかに頸椎の病変が椎骨動脈支配領域の血流不全の原因となることがあって,「めまい」の検索の際に頸椎の多方向からの撮影および断層撮影が行われることがあるが,これは本特集の中で別に扱われているのでここでは省略し,側頭骨のX線撮影に話をしぼって解説する.

後頭蓋窩疾患に対するCTスキャンの意義と限界

著者: 喜多村孝一 ,   今永浩寿

ページ範囲:P.678 - P.682

はじめに
 「めまい」は極めてありふれた症状であり,原因も種種である.「めまい」は定義そのものが不明確で,患者が「めまい」として訴える症状は実に幅の広いものである.しかしながら,一言で表現するならば,「中枢神経系内に急激に生じる機能の不均衡によって生じる症状」といってよいかと筆者らは考えている.
 さて,「めまい」を発生させる病巣の局在部位は,内耳,後頭蓋窩内であることが圧倒的に多い.そして腫瘍も当然原因となり得るが,急激な機能障害をひき起こしやすい血管性病変,機能的疾患が原因としてはより重要である.

後頭蓋窩疾患に対する脳血管撮影の意義—椎骨動脈造影を中心に

著者: 高橋睦正

ページ範囲:P.683 - P.691

はじめに
 「めまい」をきたす後頭蓋窩疾患のうち,椎骨動脈造影法の対象となる主な疾患は聴神経腫瘍,脳幹部腫瘍,小脳半球腫瘍などの後頭蓋窩腫瘍と椎骨脳底動脈系の閉塞性疾患である.後頭蓋窩腫瘍の診断には従来の空気脳室造影法,ヨード油脳室造影法などが広く実施されていたが,椎骨動脈造影法にカテーテル法が導入されるようになって,本法は比較的安全性が高く,かつ診断的価値の高い検査法として応用されるようになった.さらに,最近になってコンピューター断層法が導入され,後頭蓋窩疾患の診断には必須の検査法となりつつある.しかし,病態の詳細な検討や手術的な侵襲を加えるためには,椎骨動脈造影法は重要な検査法である.椎骨脳底動脈およびその分枝にはその起始部,走行に多くの変異があり,閉塞性疾患を診断するにあたってはこれらの点を十分に注意して撮影を進める必要がある.

各種疾患と各科の「めまい」

頸性めまい

著者: 長島親男

ページ範囲:P.694 - P.701

頸性めまいとは
 1955年に,リバプールの内科医RyanとCopeがLancet誌に"Cervical vertigo"と題する論文を発表し,首の外傷や疾患によって起こっためまいの5症例を述べたのが,この命題「頸性めまいcervical vertigo orcervical vertigo syndrome」のはじまりと思われる.彼らの発表した5症例というのは,具体的には頸部脊椎症によるめまい,首の牽引療法によって起こっためまい,頸の外傷によって起こっためまいを呈示しており,この発現機構として次の3つのメカニスムスを「考察」のなかで取りあげて論議している.すなわち,①椎骨動脈の閉塞,②頸部交感神経系の障害,③頸反射(neck reflex)の障害の3つである.
 1959年に,彼らはさらに"Cervical and otolith vertigo"と題する論文を発表し,頸性めまいと耳石器めまいとの鑑別診断にふれ,頸性めまいにおいては,首の痛みやstiffnessを必ず伴っているのが特徴であると述べ,頸性めまいはカラー装着テストで良くなるので鑑別診断と治療に役立つことを強調している.申すまでもなく,このotolith vertigoというのは,耳石器の障害による良性発作性頭位眩暈のことであり,ある特定の頭位にすると「めまい」を起こす点で,頸性めまいと似ている.

メニエール病

著者: 渡辺勈

ページ範囲:P.702 - P.703

メニエール症候群とメニエール病
 1861年,Meniereが,従来脳疾患によって生ずると考えられていた「めまい」が,内耳病変によっても生ずることと,その際にしばしば「耳鳴り」,「難聴」などの症状を伴うことを報告した.その後「メニエール症候群」の呼称は原因不明の耳性(迷路性)めまいと同意義に用いられることが多くなったが,厳密にいえば,橋角部腫瘍や脳血管障害などの後迷路性病変によるものもまぎれこむ可能性がある.そこで最近では,「メニエール症候群」は診断を進める過程で便宜的に用いられるに過ぎず,最終的には,内耳炎,中毒性内耳障害などの個々の病名,あるいは耳性(迷路性)めまいなどの総括的な呼称が用いられるようになってきた(図1).
 耳性(迷路性)めまいの中には,未だ原因の明らかでない,いくつかの疾患が含まれていると考えられているが,それらのうちで,一番多く研究が行われ,臨床的にはすでに独立疾患として取り扱われているのがメニエール病である.

末梢前庭性めまい

著者: 徳増厚二

ページ範囲:P.704 - P.705

末梢前庭性めまいの特徴
 「めまい」は周囲あるいは自分がまわるような回転性めまいvertigo,体がふらつくような不安定感である浮動性めまいdizziness,眼前暗黒感に分けられる,末梢前庭性めまいはvertig。のことが多いが,dizzinessの場合もある.しかし,意識を失うようなことはない.一方,中枢性めまいや全身疾患によるものではdizzinessが多いが,脳幹や小脳の血管障害などではしばしばvertigoがみられる.

聴神経腫瘍

著者: 小松崎篤

ページ範囲:P.706 - P.709

はじめに
 聴神経腫瘍(acoustic tumor)は本来第8神経の末梢部より発生するが,従来は診断が確定した時期には小脳橋角部に進展しており,脳幹や小脳症状などを示し,典型的脳腫瘍の臨床像を呈していることが多かった.
 しかし,最近では神経耳科学的あるいは神経放射線学的なアプローチにより,比較的早期に聴神経腫瘍を診断することが可能となった.聴神経腫瘍はその初期症状として,難聴耳鳴などの症状を呈するため,大多数の症例で耳鼻咽喉科医を訪れることが多い.ただ,その時期には一側性の感音性難聴のみで,他の神経症状が認められないため,聴神経腫瘍の存在が見過ごされるため注意を要する.

後頭蓋窩血管障害

著者: 大友英一

ページ範囲:P.710 - P.711

はじめに
 神経内科的臨床面からいえば,広義の「めまい」は立ちくらみと「めまい」に分けて論ぜられるのが常である.立ちくらみ(dizziness)は必ずしも脳の機能障害が関与しないものであり,一種の見当識障害,姿勢の不安定であり,くらくらする,ふらつく,揺れ動くなどと表現される.「めまい」(vertigo)は外界が自分の回りでまわる,また自分が回るなどと表現され,神経学的には立ちくらみに比しはるかに意義が大で,重要な症状である.たとえば老年者の臨床病理学的検索によると,高血圧の程度が大になるにつれて「めまい」の出現度は増加するが,立ちくらみにはこのようなことはない.
 体の位置,とくに頭部の姿勢に関する刺激を伝えている半規管の刺激,すなわち通常,筋肉や関節から空間における位置について受けている刺激が強大になると,自己固有の感じについての障害が起こり,「めまい」として感ずることになる.

小脳変性症

著者: 千田富義 ,   平山恵造

ページ範囲:P.712 - P.714

はじめに
 小脳変性症は小脳,脊髄を病変の主座とし,多系統に変性の及ぶ疾患で,病変分布のパターンにより,いくつかのsubdivisionに分けられる.その主要臨床症状は運動失調であり,これは平衡障害と四肢随意運動の際の協調運動障害に大別できる.小脳疾患における平衡障害は,その症状の類似性,前庭系との線維連絡の存在などより,古くから迷路前庭系の関与が議論の的となってきた.「あまい」は自覚症状ながら,身体症状(起立歩行不安定),眼症状(眼振,異常眼球運動),自律神経症状(悪心,嘔吐)などとともに平衡障害の際の重要な一症状となる.その発生過程は不明な点が多いが,迷路前庭系が密接に関係していると考えられている.本稿では,小脳変性症について,単なる「めまい」にとどまらず,「めまい」・平衡障害という立場から述べることとする.

小脳・脳幹腫瘍

著者: 桑原武夫 ,   千葉康洋

ページ範囲:P.716 - P.719

はじめに
 脳神経外科医は,「めまい」を主訴とする患者を診たり,相談されたりすることが多い.1カ月ほど前,友人の病院で「めまい」を主訴とする中年の女性について相談をうけたが,持続性の激しい「めまい」で,そのため身動きはほとんどできず,嘔気のため食餌もとれない.しかし,他覚的には軽度の注視眼振を認めるだけで,神経学的検査では所見に乏しく,はっきりした小脳症候はないし,もちろん乳頭浮腫もない.それで,テント下腫瘍を一応は疑いながらも経過を診てもらっているうちに,1週間ほどして,意識障害が現れてきたというので,救急入院させ,早速CT scanを行うと,左小脳半球の部位に大きなIow density areaが認められた.後頭下開頭を行うと左小脳半球を占める大きな嚢腫性腫瘍があり,壁在性の腫瘍結節を摘出した.組織学的には血管芽腫であった.この例は,術後すぐに「めまい」は完全に消失し,元気で退院した.
 元来,「めまい」と表現されるものの中には,身体平衡の不安定感あるいは目先が一瞬暗くなるいわゆる立ち暗み様の異常感覚(dizziness)と,外界あるいは自己が回転するように感ずる「めまい」(眩量vertigo)がある.そして,dizzinessをひき起こす要因としては,平衡・位置感覚の障害,前庭機能の障害のほか,複視,一過性視力障害,血管運動障害などが考えられ,したがってその原因は種々雑多である.

眼科と「めまい」

著者: 丸尾敏夫 ,   永井真之

ページ範囲:P.720 - P.721

はじめに
 眼科における「めまい」には,視覚に関連した眼性眩暈ocular vertigoと,眼症状はあるが眼以外に原因があるものがある.本稿ではこのような「めまい」について解説してみよう.なお,眼振については他の項で述べられるであろうから,ここではふれない.

心因的な「めまい」

著者: 大野喜暉

ページ範囲:P.722 - P.723

はじめに
 日常の診療において,「めまい」をきたす原因としてはいろいろな疾患があるが,「めまい」には大別すると,真性めまいと仮性めまいとがある.
 真性めまいとは運動覚または位置覚の異常を訴えるもので,その性状は回転感,昇降感,傾斜感である.仮性めまいとは立ちくらみ,眼前暗黒感,脱力感,軽い意識障害を主とするものである.実際には,ふらふらする,目がちらちらする,眼前が真暗になる,四肢の力が抜ける,宙に浮いたようになるなどと表現される.心因的な「めまい」では,真性めまいが訴えられることは稀であり,仮性めまいのことが多い.

婦人科と「めまい」

著者: 馬島季麿

ページ範囲:P.724 - P.725

はじめに
 「めまい」は婦人科領域でもかなり頻発する症状である.しかし,単独に「めまい」のみを訴えてくる場合は稀で,多くはpsychovegetative Symptomeの一つとしての「めまい」である.発生年齢は20〜30歳代にも起こるが,40〜50歳代の更年期婦人に最も多く発生する.
 筆者はかつて更年期障害(すべての型を含む)と「めまい」について調査したが,その結果はつぎのとおりである.「めまい」は更年期障害の50.8%に発生しているが,閉経前(48.0%)よりも閉経後(66.7%)に多い。閉経後更年期障害では,「めまい」は頭痛や肩こりについで多い.CMIテストでは,筆者の行っている分類で,III〜V型(自律神経失調=自失症状15点以上,自失的)が45.9%,IV型(自失症状,精神症状ともに15点以上,心身症的)が34.5%で,両者の合計は80.3%の高率であった.自律神経検査では自失が81.0%で,CMIのIII〜V型とIV型の計80.3%とほぼ同じ頻度であった.なお,自失のうちではP型(交感神経緊張低下)が66.0%で過半数を占めた.これらの事実から,更年期障害としての「めまい」は自失と極めて密接な関係があり,自失性めまいといっても差し支えないであろう.

「めまい」の治療

薬物療法—内科的疾患

著者: 赫彰郎

ページ範囲:P.726 - P.727

はじめに
 「めまい」は空間に対する身体位置覚に不調和を感ずる病態で,日常臨床で最も多くみられる症状の一つである.しかも「めまい」が重篤疾患の前駆症状,初期症状である場合も少なくない.
 臨床的には内耳や前庭神経領域の障害で起こる定型的めまい(真性めまい)と,非前庭性である非定型的めまい(仮性めまい)に分類されるほか,内耳(迷路)と聴神経障害による末梢性めまい,脳幹の前庭神経核や小脳を中心とする前庭中枢性の障害による中枢性めまい,さらに循環器,血液疾患など,全身性疾患による「めまい」に大別される.

薬物療法—耳鼻科的疾患

著者: 松永喬

ページ範囲:P.728 - P.731

「めまい」の治療方針
 最近,神経耳科医が主治医として治療にあたっているあまい疾患は,まず耳性めまいのすべてであるが,メニエール病確実例,ならびに疑い例6),内耳炎(中耳炎性,脳膜炎性),良性発作性頭位眩量症,突発性難聴,SM・KM中毒,ハント症候群,前庭神経炎,内耳梅毒,外傷性内耳・内耳道障害,加速度病などがある.次に椎骨脳底動脈循環不全症,高血圧症,起立性低血圧症,脳動脈硬化症,高脂血症のときの「あまい」,頭・頸部外傷後の「めまい」などを内科医,精神神経科医と相談して加療している.そのほか鼻性めまい,原因不明の眩量症4),とくに一般内科的,神経学的検査で明確に所見のない症例が神経耳科医の治療の対象疾患となる.
 これらの疾患に対して,従来から抗めまい剤(めまいに対する薬剤のこと.以下同じ)としては,向循環改善剤(血管拡張剤,血流改善剤,血管強固剤,抗脂血剤,昇圧アミン剤などを便宜上総称していう.以下同じ),向神経剤(自律神経調整剤,phenothiazine誘導体,minor tranquilizerなどを便宜上総称していう.以下同じ),向脳代謝改善剤(脳,細胞,組織の代謝機能賦活剤を便宜上いう.以下同じ)およびビタミン剤の四者が一般に対症的に用いられ,利尿剤,ステロイド,抗ヒスタミン剤が選択的に用いられてきた2)

外科的療法

著者: 北原正章

ページ範囲:P.732 - P.733

はじめに
 耳科的手術治療の対象となる「めまい」疾患には,メニエール病,内耳炎,聴神経腫瘍などがあるが,本稿では誌面の関係上,メニエール病の外科的治療に限って述べることとする.

針治療

著者: 野末道彦 ,   小野忠彦

ページ範囲:P.734 - P.735

はじめに
 めまい患者の治療方法には,薬物療法,手術療法,心理療法などいろいろある.最近,筆者らはこれらの治療法に加えて,針治療を行っているので,その効果,印象などについて述べてみたい.
 古来,針灸領域では「めまい」に対して針治療が行われており,「めまい」に特有な,いわゆる経穴(ツボ)があることはよく知られている.しかし,「めまい」の原因はいろいろあり,「めまい」を起こす疾患もメニエール病をはじめとして多種多様である.この複雑な「めまい」に対して,とくに近年その進歩が著しい神経耳科学的立場からいろいろな検査を行い,明確な診断を立てた上で針治療を試みたという報告は極めて少ない.

心理療法

著者: 渡辺克己 ,   池見酉次郎

ページ範囲:P.736 - P.737

はじめに
 日常診療において,「めまい」はよく遭遇する症状の一つである.その原因は多岐にわたり,治療にあたっても,薬物・外科的療法だけではうまくゆかない場合がしばしばある.本稿では,「めまい」を訴える患者への心理療法について,簡単に述べてみたい.

理解のための10題

ページ範囲:P.738 - P.739

演習・X線診断学 血管造影写真読影のコツ・5

肝腫瘤病変

著者: 平松京一 ,   磯部義憲

ページ範囲:P.742 - P.747

 肝疾患の診断にとって今や血管造影は欠くことのできない検査となっていることはいうまでもありません.なかでもとくに肝の腫瘤病変mass lesionの場合は,最終的な質的診断を下し得ることからその診断的価値が高く評価されています.そこで今回は肝の良性悪性腫瘤における血管造影写真を見ながら,その読影について演習していただきたいと思います.

連載

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.748 - P.751

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内科専門医を志す人に・トレーニング3題

著者: 春見建一 ,   柏崎禎夫 ,   鎌田武信

ページ範囲:P.753 - P.755

問題1. 55歳男.以前高血圧(230/140mmHg)あり,昼食中激しい前胸部痛におそわれ失神した.ただちに病院に運ばれ,入院直後意識回復,激しい前胸部痛を訴えた.血圧左腕,160/90mmHg,右腕は脈拍ふれず,心拍数55/分,大動脈領域に駆出性収縮期雑音および拡張期灌水様雑音を聞く.下肢脈拍に左右差はなく,心電図,胸部X線像は6カ月前と比べ,変化はなかった.
次の処置のうち最も正しいと思われるものはどれか.

診断基準とその使い方

Sjögren病

著者: 塩川優一

ページ範囲:P.756 - P.759

はじめに
 シェーグレン病Sjögren's disease(以下Sj病と省略)はスウェーデンの眼科医Henrik Sjögren(1933)によりはじめて記載された.すでにMikuriczは唾液腺,涙腺の腫脹をみる症候群を記載し,Mikuricz症候群と名づけられているが,これはSj病と同一とされている.また,乾燥性角結膜炎keratoconjunctivitis siccaと口腔乾燥症xerostomiaを有する症候群を乾燥症候群siccasyndrorneとよぶ.Sj病はこの乾燥症候群と膠原病の合併したものである.

図解病態のしくみ 高血圧シリーズ・1

血圧調節機序における心臓・血管の機能

著者: 青木久三

ページ範囲:P.760 - P.761

 本態性高血圧症とは一般に動脈系の血圧が正常より高い病態,すなわち収縮期血圧150mmHg以上および拡張期血圧90mmHg以上とされている.本態性高血圧症の血圧上昇を理解する目的で,心臓血管系が血液循環を維持しながら血圧調節に関与している状態について解説を試みる.

疾患合併と薬剤

消化性潰瘍でステロイドを使うとき

著者: 河野実

ページ範囲:P.762 - P.763

ステロイド剤と消化性潰瘍の発生および悪化
 ステロイド剤がなぜ潰瘍を発生させ,または既存の潰瘍を悪化させるかについては,2つの要因が考えられる.第1は,これによる胃液分泌の刺激作用すなわち塩酸およびペプシン分泌の増量である.これは直接体液性に胃粘膜に作用するのであるから迷走神経に無関係のようであるが,迷走神経が同時に刺激されない限り,ステロイド剤だけではたいした胃液分泌の増加を及ぼさないと主張している学者もある.また,コーチゾンよりACTHのほうがより潰瘍を作りやすい.それは後者はコーチゾン以外のコルチコイドを出し,より有害であるとしている.いずれにしても,ステロイド剤は塩酸およびペプシンの分泌増加をきたし,これは非経口的に与えても同じことである.第2は,ステロイドは粘膜の抗潰瘍としての抵抗性を減弱させ,かつ修復機転を遅らせる.それは繊維形成を阻害し,欠損組織の修復を防げるためである.潰瘍発生には胃液分泌増加よりも後者の要因を重視している学者が多いようである.
 とにかくわれわれは経験上,いままで潰瘍のない場合にはプレドニンとして60mgくらい使用しても1週間や10日で潰瘍を生じないことを知っている.しかしながら,1ヵ月以上の長期間使用例ではしばしば潰瘍の発生に遭遇している.このとき潰瘍誘因の薬剤1)を併用すれば,とくに潰瘍は発生しやすい.

今日の食事療法

高血圧

著者: 額田忠篤 ,   多田邦彦

ページ範囲:P.764 - P.765

 長期にわたる過剰な食塩摂取の習慣が高血圧の発症や進展に関与していること,高血圧の治療が,多くの場合終生必要なこと,薬剤は最少投与量で最大治療効果をあげなければならないことなどにより,高血圧の食事療法は,多くの優れた降圧剤の開発をみた今日においても,なおその重要な地位を失っていない.

プライマリー・ケアの実際

腹痛の診断と急性腹症(1)

著者: 眞栄城優夫

ページ範囲:P.766 - P.769

 急性腹症とは,ただちに決断を必要とする腹部疾患の総称である.腹痛を主症状とするこれらの疾患の初診,初療にあたる医師の責任は重大であり,内科的疾患と外科的疾患とを区別し,手術適応を誤らないよう,鎮痛剤や抗生物質の使用に注意し,手術を必要とする場合には,いつでもそれに対応できるように準備していなければならない.以下,これらの点についての概略を述べていきたい.

小児と隣接領域

小児皮膚科—こどもの手

著者: 山本一哉

ページ範囲:P.770 - P.771

手に注目する理由
 すでにしばしば指摘しているように,また,誰でも経験しているように,小児の皮膚疾患患者は低年齢者ほど多い傾向がある.すなわち,小学校入学年齢以下の者が最も多く,全体の約3/4を占めている.この年齢層の患者の疾患頻度をみると表1〜3のようになる1).湿疹・皮膚炎群が圧倒的に多いことはいうまでもない.なかでも2〜3歳児で,それが目立っている.一方,皮膚感染症もこの年代では,上位に並ぶ傾向が明瞭にみられてくる.このような疾患の内容の変化には,種々の要因が関与するであろう.まず,幼児期になると,その行動範囲は拡大し,仲間との接触も増してくる.その結果,感染症は増加しようし,外界からの皮膚に対する刺激も増加の一途をたどることになる.とくに手の皮膚は,そのような機会が急増する部位といえよう.患者数の多い湿疹・皮膚炎群は,接触刺激の影響を大きく受ける疾患であり,感染症もまた手指を介して拡がることが少なくない.このように考えてくると,小児皮膚疾患患者の診療時には,その手に注目せざるをえない.

内科臨床に役立つ眼科の知識

瞳孔のみかた

著者: 松井瑞夫 ,   伊藤研一

ページ範囲:P.772 - P.773

 正常者では左右の瞳孔は同じ大きさを示すが,注意深く観察すると,1mm以下の左右差が認められることもある.瞳孔の大きさ自体には個人差が大きいため,診断的価値はない.一般に,暗所,小児,近視眼では大きく,加齢とともに小さくなる傾向がある.

診療相談室

陥(嵌)入爪の基本的な治療方針

著者: 大塚寿

ページ範囲:P.774 - P.775

質問 陥(嵌)入爪の基本的な治療方針について,ご教示ください. (小金井市 N生 40歳)

天地人

蘭方医ばやりに思う

著者:

ページ範囲:P.777 - P.777

 蘭方医ばやりの昨今である.A新聞に連載されている司馬遼太郎の"胡蝣の夢"は毎朝の楽しみである.この小説は,伊之助という少年を中心人物とし,佐渡より出て松本良順について蘭学を習い,さらに佐倉の順天堂で医学を学ぶところまで筋は進んできている.独特の筆致で,江戸時代末期の社会構造や蘭方医の苦労を描き出し,心を躍らせてくれる.吉村昭の"ふおん・しいほるとの娘"は,S週刊誌に2年近く連載され毎週の楽しみとなっている.この小説は,シーボルトとその娘で日本最初の産科女医となったお稲を中心に,凄惨な目にあった蘭学者をも描いたもので,なかなかの大作である.またNHKの大河ドラマ"花神"は日曜の夜の楽しみであるが,目下,村田蔵六はお稲にオランダの医学原書を講じているところである.
 吉村昭の"冬の鷹"も最近第2版が出された.この小説は,蘭学の先がけとなった前野良沢と杉田玄白を描いたものである.ターヘル・アナトミアは玄白により訳され「解体新書」として出版されたが,ここでは翻訳は専ら良澤が行ったものであるとしている.骨ケ原の腑分にターヘル・アナトミアを持参し,その図が実際と一致していることに感激してこの本の翻訳を決意する件や,後に「蘭学事始」に紹介された翻訳の苦難な様相,さらに「解体新書」出版に際して良澤がなぜ身をひいたか,玄白がどのような決意でこれを自分だけの訳としたかなど,その何れも深い感銘を与える.

オスラー博士の生涯・49

病院という大学

著者: 日野原重明

ページ範囲:P.778 - P.781

 オスラーは10月1日,母校トロント大学に招かれて,「医学の金言」と題して医学の道に進む学生へ,生きる道・学習の道を説いた.この講演には,オスラーの人柄と思想を築き上げてきた多くの古典から引用された言葉や思想がみなぎり,聴衆に多大の感銘を与えた.

ここにも医療あり

本来の生活空間で患者をとらえる—在宅患者の訪問診療

著者: 別府宏囲

ページ範囲:P.782 - P.784

 医者とは病気を治す職業であり,病院は病気を治す場所である.医者になるまでは迂濶にもそう信じて疑わなかった.医学部を卒業して10余年,一体何人の患者を治したであろうか.退院時カルテをまとめながら,転帰の項に「軽快」あるいは「不変」と記入するときのためらいは今も変わりない.
 このような無力感は,ひとつには自分の選んだ科(神経内科)の特殊性によるかもしれない.学生時代,神経学の教科書を読みながら,原因不明,治療法なしという記載の多さに何度も呆れた記憶があり,その状況は10年を経た現在もほとんど変わっていない.依然として神経疾患の多くは難治であり,治療の大半は姑息的な対症療法の域を出ない.自分が神経学を選んだ動機を振り返ってみても,むしろ診断学的興味に惹かれたことが主な理由であった.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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