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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻5号

1977年05月発行

今月の主題 めまいの基礎と臨床

各種疾患と各科の「めまい」

頸性めまい

著者: 長島親男1

所属機関: 1埼玉医大脳神経外科

ページ範囲:P.694 - P.701

文献概要

頸性めまいとは
 1955年に,リバプールの内科医RyanとCopeがLancet誌に"Cervical vertigo"と題する論文を発表し,首の外傷や疾患によって起こっためまいの5症例を述べたのが,この命題「頸性めまいcervical vertigo orcervical vertigo syndrome」のはじまりと思われる.彼らの発表した5症例というのは,具体的には頸部脊椎症によるめまい,首の牽引療法によって起こっためまい,頸の外傷によって起こっためまいを呈示しており,この発現機構として次の3つのメカニスムスを「考察」のなかで取りあげて論議している.すなわち,①椎骨動脈の閉塞,②頸部交感神経系の障害,③頸反射(neck reflex)の障害の3つである.
 1959年に,彼らはさらに"Cervical and otolith vertigo"と題する論文を発表し,頸性めまいと耳石器めまいとの鑑別診断にふれ,頸性めまいにおいては,首の痛みやstiffnessを必ず伴っているのが特徴であると述べ,頸性めまいはカラー装着テストで良くなるので鑑別診断と治療に役立つことを強調している.申すまでもなく,このotolith vertigoというのは,耳石器の障害による良性発作性頭位眩暈のことであり,ある特定の頭位にすると「めまい」を起こす点で,頸性めまいと似ている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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