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今月の主題 めまいの基礎と臨床 各種疾患と各科の「めまい」
メニエール病
著者: 渡辺勈1
所属機関: 1東医歯大耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.702 - P.703
文献購入ページに移動メニエール症候群とメニエール病
1861年,Meniereが,従来脳疾患によって生ずると考えられていた「めまい」が,内耳病変によっても生ずることと,その際にしばしば「耳鳴り」,「難聴」などの症状を伴うことを報告した.その後「メニエール症候群」の呼称は原因不明の耳性(迷路性)めまいと同意義に用いられることが多くなったが,厳密にいえば,橋角部腫瘍や脳血管障害などの後迷路性病変によるものもまぎれこむ可能性がある.そこで最近では,「メニエール症候群」は診断を進める過程で便宜的に用いられるに過ぎず,最終的には,内耳炎,中毒性内耳障害などの個々の病名,あるいは耳性(迷路性)めまいなどの総括的な呼称が用いられるようになってきた(図1).
耳性(迷路性)めまいの中には,未だ原因の明らかでない,いくつかの疾患が含まれていると考えられているが,それらのうちで,一番多く研究が行われ,臨床的にはすでに独立疾患として取り扱われているのがメニエール病である.
1861年,Meniereが,従来脳疾患によって生ずると考えられていた「めまい」が,内耳病変によっても生ずることと,その際にしばしば「耳鳴り」,「難聴」などの症状を伴うことを報告した.その後「メニエール症候群」の呼称は原因不明の耳性(迷路性)めまいと同意義に用いられることが多くなったが,厳密にいえば,橋角部腫瘍や脳血管障害などの後迷路性病変によるものもまぎれこむ可能性がある.そこで最近では,「メニエール症候群」は診断を進める過程で便宜的に用いられるに過ぎず,最終的には,内耳炎,中毒性内耳障害などの個々の病名,あるいは耳性(迷路性)めまいなどの総括的な呼称が用いられるようになってきた(図1).
耳性(迷路性)めまいの中には,未だ原因の明らかでない,いくつかの疾患が含まれていると考えられているが,それらのうちで,一番多く研究が行われ,臨床的にはすでに独立疾患として取り扱われているのがメニエール病である.
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