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今月の主題 めまいの基礎と臨床 各種疾患と各科の「めまい」
聴神経腫瘍
著者: 小松崎篤1
所属機関: 1東大耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.706 - P.709
文献購入ページに移動聴神経腫瘍(acoustic tumor)は本来第8神経の末梢部より発生するが,従来は診断が確定した時期には小脳橋角部に進展しており,脳幹や小脳症状などを示し,典型的脳腫瘍の臨床像を呈していることが多かった.
しかし,最近では神経耳科学的あるいは神経放射線学的なアプローチにより,比較的早期に聴神経腫瘍を診断することが可能となった.聴神経腫瘍はその初期症状として,難聴耳鳴などの症状を呈するため,大多数の症例で耳鼻咽喉科医を訪れることが多い.ただ,その時期には一側性の感音性難聴のみで,他の神経症状が認められないため,聴神経腫瘍の存在が見過ごされるため注意を要する.
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