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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻5号

1977年05月発行

文献概要

今月の主題 めまいの基礎と臨床 各種疾患と各科の「めまい」

小脳・脳幹腫瘍

著者: 桑原武夫1 千葉康洋1

所属機関: 1横浜市大脳神経外科

ページ範囲:P.716 - P.719

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はじめに
 脳神経外科医は,「めまい」を主訴とする患者を診たり,相談されたりすることが多い.1カ月ほど前,友人の病院で「めまい」を主訴とする中年の女性について相談をうけたが,持続性の激しい「めまい」で,そのため身動きはほとんどできず,嘔気のため食餌もとれない.しかし,他覚的には軽度の注視眼振を認めるだけで,神経学的検査では所見に乏しく,はっきりした小脳症候はないし,もちろん乳頭浮腫もない.それで,テント下腫瘍を一応は疑いながらも経過を診てもらっているうちに,1週間ほどして,意識障害が現れてきたというので,救急入院させ,早速CT scanを行うと,左小脳半球の部位に大きなIow density areaが認められた.後頭下開頭を行うと左小脳半球を占める大きな嚢腫性腫瘍があり,壁在性の腫瘍結節を摘出した.組織学的には血管芽腫であった.この例は,術後すぐに「めまい」は完全に消失し,元気で退院した.
 元来,「めまい」と表現されるものの中には,身体平衡の不安定感あるいは目先が一瞬暗くなるいわゆる立ち暗み様の異常感覚(dizziness)と,外界あるいは自己が回転するように感ずる「めまい」(眩量vertigo)がある.そして,dizzinessをひき起こす要因としては,平衡・位置感覚の障害,前庭機能の障害のほか,複視,一過性視力障害,血管運動障害などが考えられ,したがってその原因は種々雑多である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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