文献詳細
文献概要
今月の主題 DICとその周辺 治療
抗線溶剤
著者: 元田憲1
所属機関: 1金沢大第2内科
ページ範囲:P.858 - P.859
文献購入ページに移動はじめに
DICには,常にそれを惹起する原因疾患が存在し,その排除がDIC治療の根本であることは自明の理である.しかし,実際には細菌感染,血管病変,心大動脈瘤のごとき原因除去可能なものもあるが,悪性腫瘍,白血病などその治療がほとんど不可能なものが多く,そのため凝固・線溶系の対症的是正が主役をなすことになる.
DICの発生機転はその名のとおり凝固亢進による汎発性の血管内凝固に始まり,そのためフィブリノゲンをはじめとする凝固因子の大量消費が出血性素因となって現れ,同時に,多発血栓はそれ自体二次線溶を惹起し,出血性素因となる.この2つの出血性素因が重なって,皮下のoozingから各臓器の大出血までを起こすものである.また,DIC中の生体内では,最初は凝固亢進により発生したとしても,図1のごとく病像としてわれわれが把握しうる頃には,3つのphaseが混在していると考えねばならない.
DICには,常にそれを惹起する原因疾患が存在し,その排除がDIC治療の根本であることは自明の理である.しかし,実際には細菌感染,血管病変,心大動脈瘤のごとき原因除去可能なものもあるが,悪性腫瘍,白血病などその治療がほとんど不可能なものが多く,そのため凝固・線溶系の対症的是正が主役をなすことになる.
DICの発生機転はその名のとおり凝固亢進による汎発性の血管内凝固に始まり,そのためフィブリノゲンをはじめとする凝固因子の大量消費が出血性素因となって現れ,同時に,多発血栓はそれ自体二次線溶を惹起し,出血性素因となる.この2つの出血性素因が重なって,皮下のoozingから各臓器の大出血までを起こすものである.また,DIC中の生体内では,最初は凝固亢進により発生したとしても,図1のごとく病像としてわれわれが把握しうる頃には,3つのphaseが混在していると考えねばならない.
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