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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻7号

1977年07月発行

今月の主題 腹痛の診かた・とらえかた

腹痛患者の診かた

問診のポイント

著者: 湯川永洋1 宮本新太郎2

所属機関: 1湯川胃腸病院 2湯川胃腸病院内科

ページ範囲:P.936 - P.937

文献概要

はじめに
 腹痛患者に対する問診のポイントはどこにあるか実例をあげて考えてみよう.
 症 例 34歳の男性事務員:来院約1時間半前執務中に突然上腹部に劇痛をきたした.付添ってきた看護婦によると,発作時患者は油汗をかき,血圧は最高血圧104mmHgで,ブスコパンを筋注したが痛みはまったく変化しないという.痛みの性質は持続性で,約半時間前から下腹部にも痛みが拡がり,少し便意を感じるという.患者はやや前屈みの姿勢で,人に介助されてそろりそうりと歩行する.顔面は苦悶状ではないが,痛みをこらえているために応答は流暢ではない.診察時患者は仰臥伸展位をとることができる.発熱はなく脈拍は毎分85・整,血圧は120〜80mmHgである.腹部は全体に板状硬で圧痛を認め,打診によりひびいて痛いと答える.打診上,肝濁音は消失していない.今までこのような強い痛みは経験したことはなく,15年ほど前から時々軽い空腹時痛があり,5年前に他医で古い十二指腸潰瘍といわれたことがあると答える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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