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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻7号

1977年07月発行

今月の主題 腹痛の診かた・とらえかた

腹痛患者の診かた

身体所見のとらえかた

著者: 安部井徹1

所属機関: 1東邦大第2内科

ページ範囲:P.938 - P.939

文献概要

全身的にみるべきところ
 患者の姿勢や動作 弱い腹痛は言葉で訴えるだけである.強くなってくると,腹痛をこらえる表情や動作が表れる.顔貌は苦悶状となり,身体をくの字に曲げ,腹を抱えるような姿勢を示す.さらに強くなると,立っていることができなくなり,横になってころげ廻り,苦痛の叫び声を発する.私達はこのような姿勢や動作で,経験的に腹痛の強さを推定することができる.しかし,このような腹痛に対する反応には個人差があり,私達はこれを大げさだとか鈍感だとかいって斟酌する.大げさな人に対しては質問などして気をそらさせると,表現や反応が小さくなる.
 腹膜炎などが加わってきて,壁側腹膜に刺激性が大きくなると,もはや"もがく"ことがかえって腹痛を強める.患者は動かなくなり,じっと歯を食いしばってこらえるようになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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