文献詳細
文献概要
今月の主題 癌治療の最前線 化学療法
多剤併用療法の実際
著者: 小川一誠1
所属機関: 1愛知県がんセンター第2内科
ページ範囲:P.1114 - P.1116
文献購入ページに移動はじめに
現代の癌化学療法の主体をなすのは併用療法であり,小児急性リンパ性白血病,悪性リンパ腫においては"cure"が望める段階となり,非リンパ性白血病においても90%以上の寛解率が報告1,4)されている.これに対して,固形腫瘍では胃癌を例にとると30〜40%の症例で腫瘍の縮小と自・他覚的改善が報告2)されているが,完全に消失するもの,長期に生存する症例は非常に少ない現状であり,その成績は不満足なものである.本稿では,主として固形腫瘍の多剤併用療法の現況と,その成績をいかにして向上させるかに関して若干の私見を述べてみたい.
現代の癌化学療法の主体をなすのは併用療法であり,小児急性リンパ性白血病,悪性リンパ腫においては"cure"が望める段階となり,非リンパ性白血病においても90%以上の寛解率が報告1,4)されている.これに対して,固形腫瘍では胃癌を例にとると30〜40%の症例で腫瘍の縮小と自・他覚的改善が報告2)されているが,完全に消失するもの,長期に生存する症例は非常に少ない現状であり,その成績は不満足なものである.本稿では,主として固形腫瘍の多剤併用療法の現況と,その成績をいかにして向上させるかに関して若干の私見を述べてみたい.
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