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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻8号

1977年08月発行

文献概要

今月の主題 癌治療の最前線 免疫療法

免疫療法の考え方

著者: 螺良英郎1

所属機関: 1徳島大第3内科

ページ範囲:P.1124 - P.1125

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癌免疫療法の概要
 癌免疫療法とは,宿主の癌に対する抑制,排除に働く免疫機能をある種の物質で刺激賦活することによって抗腫瘍効果を得ようとする治療法と定義できよう.癌に対するこれまでの治療法は癌組織の切除,癌細胞の死滅や増殖抑制を目的とした外科療法,放射線療法,化学療法であったが,これに加えて登場した免疫療法は,宿主免疫能を介在した間接的な治療法であって,医学のみならず社会的にも関心が高く,期待も寄せられている.ホルモン療法にも似たところがある.しかし,終極的には,活性化されたリンパ球あるいはマクロファージを介して腫瘍細胞の傷害をきたすか,その侵襲,増殖,転移を抑制することを目的としている点では他の癌治療法と同じである.
 免疫生物学をはじめとする免疫学の基礎的研究から発して腫瘍免疫学に関する研究が進められ,基礎的研究の段階では未解決の点が多い過程で,人癌の臨床レベルで癌免疫療法が広まった.この癌免疫療法がブームを呼んだきっかけは,Mathéら(1969)による急性リンパ性白血病に対するBCG療法,Mortonらの悪性メラノーマに対するBCG療法であろう(1974).その後,BCGに代わって"Corynebacterium Parvum(C. Parvum)"が登場した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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