文献詳細
文献概要
今月の主題 癌治療の最前線 問題となる癌の治療の実際
脳腫瘍
著者: 竹内一夫1
所属機関: 1杏林大脳神経外科
ページ範囲:P.1134 - P.1135
文献購入ページに移動はじめに
種々の脳腫瘍の中で癌の治療法が応用されるものは,主としてグリオームと転移性腫瘍である.本稿では前者に対する最近の治療法の概略を述べてみたい.
グリオームの征服は,Cushing以来すべての脳神経外科医の夢である.とくに手術的治療の限界をこえる悪性グリオームに対しては,種々の補助療法がくり返し試みられているが,未だにみるべき効果があがっていない.確かに,診断法の進歩や各種の患者管理法の確立により,グリオーム全体としてみれば治療成績は向上している.また悪性グリオームに対しても,少なくとも術後1〜2年の生存率は改善している.しかし,長期の延命効果をみると,一般には極めて貧しい状態である1).
種々の脳腫瘍の中で癌の治療法が応用されるものは,主としてグリオームと転移性腫瘍である.本稿では前者に対する最近の治療法の概略を述べてみたい.
グリオームの征服は,Cushing以来すべての脳神経外科医の夢である.とくに手術的治療の限界をこえる悪性グリオームに対しては,種々の補助療法がくり返し試みられているが,未だにみるべき効果があがっていない.確かに,診断法の進歩や各種の患者管理法の確立により,グリオーム全体としてみれば治療成績は向上している.また悪性グリオームに対しても,少なくとも術後1〜2年の生存率は改善している.しかし,長期の延命効果をみると,一般には極めて貧しい状態である1).
掲載誌情報