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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻9号

1977年09月発行

文献概要

今月の主題 浮腫と臨床 浮腫患者のみかた

浮腫液の組成

著者: 境敏秀1 広田彰男2

所属機関: 1東邦大第3内科 2東邦大内科

ページ範囲:P.1223 - P.1225

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はじめに
 成人の体液のおよそ3/8は細胞外液であり,5/8は細胞内液である.通常前者は15l,後者は25lである.細胞外液は細胞外のすべての体液,つまり血漿および間質液(組織液)より構成されており,その大部分は間質液が占めている.浮腫液は組織間隙内に多量に貯留した水分であり,問質液の過剰の増加と定義されている.典型的な組織間隙内水分は,通常0.25〜1.00%濃度のmucopolysaccharideを含んでいる.これらの主成分はhyaluronic acid, polysaccharideと微量の蛋白質であり,ほかに極く微量の蛋白質と強い親和性のあるchondroitin sulfateが含まれている.このmucopolysaccharideの形態は,間質液にゲル状の性質を提供している.一方,極く少量の非ゲル状液であるfree waterが通常組織間隙内に認められる.正常組織では全間質液のおよそ1%であるが,組織間隙が浮腫状になると,50〜80%の間質液がfree waterになるという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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