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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻9号

1977年09月発行

文献概要

今月の主題 浮腫と臨床 循環器疾患と浮腫

遺伝性血管神経性浮腫

著者: 近藤元治1 横江信義2

所属機関: 1京府医大第3内科 2京府医大内科

ページ範囲:P.1246 - P.1249

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はじめに
 一過性に反復して起こる限局性浮腫はQuinckeの浮腫と総称されていたが,補体学の進歩により遺伝性血管神経性浮腫(hereditary angioneuroticedema;HANE)の存在が明らかになってきた.1888年,Osler1)は5世代にわたるHANEの家系を調査し,本症が家族性の常染色体優性遺伝の形式をとることから,hereditary(家族性)と呼ばれるようになり,1963年にDonaldsonとEvans2)はHANE患者血清には補体第1成分(C1)の阻害物質であるC1 inhibitor(C1 INH)が欠損していることを見出した.
 血液中に存在する補体(complement)は,9つの成分(C1,C4,C2,C3,C5,C6,C7,C8,C9)と,その反応を阻止するインヒビター(inhibitorあるいはinactivator)から成り,抗原抗体反応によりC1以下が活性化されるclassical pathwayと,抗原抗体反応を介さず,C3以下の活性を生じるalternatepathwayの2つの系路の存在が明らかになった(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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