icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina15巻1号

1978年01月発行

文献概要

今月の主題 急性期脳卒中の臨床 臨床のトピックス

DICと脳卒中

著者: 東儀英夫1 山之内博1

所属機関: 1東京都養育院付属病院神経内科

ページ範囲:P.64 - P.65

文献購入ページに移動
DICの診断
 DIC(disseminated intravascular coagulation)症候群は老人専門病院では決して稀ではない.筆者らの病院における剖検例のうち,約15%の症例が生前にDICの臨床所見を呈していた.このようにDICの頻度が高い理由として,老年者ではDICの原因となりうる疾患が多いことももちろんあるが,フィブリノーゲン,FDPなどの凝血学的検査を頻繁に行っていることも無視できない.したがって,小児科領域産婦人科領域,あるいは一般成人においても,凝血学的検査を頻繁に行えば,より多くのDIC例が見出される可能性もある.DICを疑う端緒となる最も簡単な検査は血沈であり,重篤な病状であるにもかかわらず血沈値が遅延している場合には,DICを強く疑う必要がある.
 患者が入院したときに,将来DICが問題になった場合に参考になる検査をあらかじめ行い,経時的に追跡しておくと,DICの傾向が出現し始めたときに,検査値の解釈に際し非常に参考になり,早期治療に結びつけることができる,なぜなら,DICの診断に際し,血液凝固学的検査の絶対値のみでなく,その変動も重要だからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?