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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻10号

1978年10月発行

文献概要

今月の主題 人工透析か腎移植か 人工透析療法の現況

透析か濾過か

著者: 平沢由平1

所属機関: 1信楽園病院腎センター

ページ範囲:P.1413 - P.1415

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はじめに
 腎不全に対する血液濾過法の応用は必ずしも新しい試みではない.最近になってにわかに注目をあびている背景には尿毒症形成にいわゆる中分子量仮説が根強く存在することと,濾過治療を行うに比較的適した濾過膜の開発が積極的に進められていることがあげられる.現行の透析法が驚異的な治療効果をあげることは周知のものとなってきているが,長期透析の患者ではなお不満足の面も少なくない.骨異栄養症,貧血,末梢神経や自律神経障害,一部の高血圧症,脂質や糖代謝障害,性機能障害,免疫能の低下,あるいは皮膚色素沈着などは現行の透析法では十分に改善されず,中には緩徐であるが進行する病態もある.これらの中で,いくつかは中分子量物質あるいはもっと高分子の物質の排泄障害が一部関係していると推定される傍証もあり,濾過法への期待がやや過剰気味となっているのも現実である.透析か濾過かの問題は,当分追究されることになると思われるので,筆者らの経験をもとに私見を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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