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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻10号

1978年10月発行

文献概要

今月の主題 人工透析か腎移植か 腎移植の現況

腎移植の適応

著者: 雨宮浩1

所属機関: 1国立循環器病センター研究所実験治療開発部

ページ範囲:P.1426 - P.1429

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腎移植の適応に関する一般的事項
 腎移植の適応になるのが腎不全患者であることは言を待たない.しかし腎移植の歴史をみると,人工腎臓が現在のように発達していなかったときには腎移植は主として急性腎不全を対象として行われていたが,今では人工腎臓の進歩が著しく,急性腎不全はすべて腹膜灌流や血液透析により治療され,腎移植は慢性腎不全のしかも血液透析を受けている患者を対象としている,しかも最近では血液透析はきわめて安定した手技となり,単に急性腎不全に対する急性血液透析のみでなく,慢性腎不全に対する慢性血液透析が一般的となっている.
 血液透析と腎移植は車の両輪の関係にあり,慢性腎不全の治療としていずれが欠けてもならないものである.すなわち,人工腎臓の発達なくしては現在の腎移植の安全性は得られなかったであろうし,またこれから述べようとしている症例に対し,血液透析のみでは満足し得ないであろうことも明らかであろう.しかし,当然のことながら,透析と腎移植とでは特性を異にするので,本稿では腎移植の適応をどのように考え,決めていくかについて述べてみたい.腎移植には適応に対し禁忌もあるので,この両面にわたり,医学的見地から絶対的なものと相対的なものとに分けて考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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