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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻10号

1978年10月発行

内科臨床に役立つ眼科の知識

血液粘性亢進網膜症

著者: 松井瑞夫1

所属機関: 1日大眼科

ページ範囲:P.1514 - P.1515

文献概要

 血液粘性の亢進によって,眼底に網膜静脈の還流障害による異常所見,すなわち,網膜静脈の拡張・蛇行・迂曲,出血,浸出斑,網膜毛細血管瘤などが出現する.これは網膜中心静脈の切迫閉塞症とよばれる疾患の検眼鏡所見と一致する.
 このような血液粘性の亢進をきたす疾患,すなわちhyperviscosity syndromeを呈する疾患にはいろいろあるが,パラプロテイン血症paraproteinaemia(マクログロブリン血症,クリオグロブリン血症や骨髄腫など)のときに,ことに著明である.また,以上の疾患のうちでは,マクログロブリン血症のときに血液粘性の亢進がとくに顕著であり,これは分子量が1,000,000にも達するIgM分子の増加が原因とされている.これに対し,多発性骨髄腫ではIgGあるいはIgAの重合体が粘性亢進の原因となるが,粘性亢進が出現する頻度は,マクログロブリン血症と比較すると,はるかに低い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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