文献詳細
文献概要
医師の眼・患者の眼
「ムコール菌症始末記」
著者: 松岡健平1
所属機関: 1済生会中央病院内科
ページ範囲:P.1539 - P.1541
文献購入ページに移動外車セールスマンの木俣氏は岡山県のある素封家から下取りのLincoln Continentalを駆って帰路についた.彼が大学を卒業して以来6年,同郷のよしみでひいきにしてくれている,東京に本社を持つ青年実業家の車であった.たいへんな上客で一銭も値切ることなく,岡山の実家でも帰りぎわに赤飯の弁当をご祝儀とともに持たせてくれたのであった.
7月も終わりの酷暑の2号線を神戸に向かって走り始めた.木俣氏はやたらと喉の渇きを覚え,自動販売器でコーラやジュースを買っては飲んだ.夕食用の赤飯の弁当もまたお三時として食べてしまった.
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