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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻11号

1978年11月発行

今月の主題 デルマドローム—内科疾患と皮膚病変

内分泌・代謝疾患

全身性アミロイドーシスの皮膚変化

著者: 堀嘉昭1

所属機関: 1東大分院皮膚科

ページ範囲:P.1579 - P.1581

文献概要

はじめに
 アミロイドーシスに関する研究は最近急速に進められ,また症例報告も増加している.厚生省特定疾患調査研究班も組織され,さらに,本症の病態,病因なども詳細に追究されることが期待される.アミロイドーシスはいろいろな原因によって発症すると考えられ,アミロイドなる物質の沈着はいろいろな臓器に認められる.
 アミロイドがどの細胞でつくられるかについては,Cohen1)は細網系細胞が産生すると考えており,Hashimotoら2)は線維芽細胞も産生すると考えている.これらの細胞は一定の刺激によってアミロイドの前駆物質を産生し,細胞外に分泌し,この前駆物質は細胞外で酸性ムコ多糖と結合してアミロイド物質となり,細胞外に沈着すると考えられる.また一方,持続的な抗原刺激に基づく血液中の異常血清蛋白が血管外に溢出し,血管周囲で酸性ムコ多糖と結合してアミロイド物質として沈着するか,あるいは血管外にいったん溢出した異常血清蛋白が線維芽細胞内にいったん取り込まれてのち,アミロイドとして結合織内に沈着することも考えられる.すなわち,原発性全身性アミロイドーシスの患者では,血清,尿中にBence-Jones蛋白を含めてM成分が証明されることが多く,免疫グロブリン,Bence-Jones蛋白がアミロイドの構成成分,もしくは前駆体と考えられている3,4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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