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文献概要
今月の主題 デルマドローム—内科疾患と皮膚病変 消化器疾患
肝硬変と皮膚血管異常
著者: 大河原章1 山本和子1
所属機関: 1旭川医大皮膚科
ページ範囲:P.1584 - P.1585
文献購入ページに移動はじめに
肝硬変症に伴う皮膚の血管異常としては,周知のごとく,vascular spider(クモ状血管腫),palmar erythema(手掌紅斑),scleral vessel engorgement(鞏膜血管怒張),paper money skin(紙幣状皮膚),caput medusae(メズサ冠)などが知られている.これらの血管変化は肝硬変症にとって特徴的ではあっても,特異的なものでなく,またvascular spiderのように健康な正常人にもみられることがあり,必ずしも異常所見とはいいがたいものもある.
しかし,これら血管病変が肝硬変症や慢性肝疾患の早期に出現し,診断的意味を有する場合もあり,肝硬変症に伴う皮膚血管変化として認識しておくことが大切であることは言を俟たない.また,これらの血管変化はdermadromeの中では肝硬変症が先行し,その結果皮膚に生じたものと考えられるが,その発症機序は必ずしも十分に理解されているとはいいがたい.
肝硬変症に伴う皮膚の血管異常としては,周知のごとく,vascular spider(クモ状血管腫),palmar erythema(手掌紅斑),scleral vessel engorgement(鞏膜血管怒張),paper money skin(紙幣状皮膚),caput medusae(メズサ冠)などが知られている.これらの血管変化は肝硬変症にとって特徴的ではあっても,特異的なものでなく,またvascular spiderのように健康な正常人にもみられることがあり,必ずしも異常所見とはいいがたいものもある.
しかし,これら血管病変が肝硬変症や慢性肝疾患の早期に出現し,診断的意味を有する場合もあり,肝硬変症に伴う皮膚血管変化として認識しておくことが大切であることは言を俟たない.また,これらの血管変化はdermadromeの中では肝硬変症が先行し,その結果皮膚に生じたものと考えられるが,その発症機序は必ずしも十分に理解されているとはいいがたい.
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