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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻11号

1978年11月発行

図解病態のしくみ 血液疾患・2

網赤血球増加

著者: 高橋隆一1

所属機関: 1済生会中央病院内科

ページ範囲:P.1670 - P.1671

文献概要

 ある種の塩基性色素(ブリリアント・クレシル青,ニューメチレン青など)によって赤血球の超生体染色を行うと,線状または腰粒状に青く染まる物質をもっている赤血球がみられる.これが網赤血球reticulocyteで,脱核した多染性赤血球から成熟した正染性赤血球への過程にある幼若赤血球であり,1〜2日で成熟した正染性赤血球となる.正常の場合には有核赤血球が末梢血中にあらわれることはなく,脱核した網赤血球または成熟赤血球になってから,骨髄から末梢血中へ遊出してくるが,その機序は十分にはわかっていない.
 正常の場合には,末梢血中の網赤血球は5〜10‰,実数として5×104/μl前後といわれているので,それ以上に増加した場合を網赤血球増加reticulocytosisとよんでいる.網赤血球増加は,骨髄の赤芽球系の過形成を反映する所見であるが,赤芽球系の過形成があっても網赤血球増加を認めない場合がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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