medicina15巻12号

1978年12月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント　第2集

I．救急車で運ばれてくる重症患者の処置

昏睡

著者： 矢埜正実¹

所属機関： ¹日本医大救命救急センター

ページ範囲：P.1721 - P.1723

文献概要

はじめに
　意識障害，とくに昏睡状態で救急室に搬入されてくる患者は生命の危機に瀕しており，初期に適切な処置が施されない場合，死に直結する可能性が大きい．昏睡患者が入室した場合，まず速やかに救急処置を行い，併行して緊急検査，病歴あるいは事故の経過を聴取し，昏睡の原因を究明し，それに対処しなければならない．一般の医療は詳細な病歴をとり検査を行うが，救急，ことに昏睡あるいはショックの場合その手順が逆になる．