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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 II.循環器疾患 1.うっ血性心不全の治療

利尿剤の使い方

著者: 久保田昌良1

所属機関: 1三楽病院内科

ページ範囲:P.1772 - P.1773

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はじめに
 うっ血性心不全(CHFと略)とは原因のいかんを問わず,心筋の収縮力が減弱して,生体組織が要求するだけの血液を拍出できないほどのポンプ機能不全(代償不全)を意味するものである.この場合,左心からの心拍出量は減少するが,右心への静脈還流が正常に保たれるならば,当然肺にうっ血が生ずることになる.そしてしだいに静脈還流も悪くなると,心臓性うっ血が各臓器にみられることになる.また,この状態を体液量という見地からみると,心拍出量の減少は腎血流量の減少からGFRを低下させ,生体にNaと水の貯留が生じて循環血液量はいっそう増加する.その結果,代償不全に陥った心筋への負荷はますます大きくなり,悪徳環が生ずることになる.
 そこで,この病態の治療としては,現在3つの方法が考えられている.第1は,不全心筋の収縮力を直接増大させるためにpositive inotropic作用をもつ薬物,たとえばジギタリス剤を用いること,第2は過剰な体液を尿として排出させ,心のpreloadを減少させようとする利尿剤の使用,第3は末梢血管抵抗を減少させて,心のafterloadを減少させようとする試みからの,末梢血管拡張剤の使用である1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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