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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 II.循環器疾患 2.心原性ショックの薬物治療

α刺激剤とα遮断剤のいずれを用いるべきか

著者: 岡田和夫1

所属機関: 1帝京大麻酔科

ページ範囲:P.1776 - P.1777

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はじめに
 心疾患(主に心筋梗塞)でショックに陥ると梗塞部位の収縮力が低下し,dyskinesiaも加わり,心拍出量が低下してくる.さらに臨床症状で四肢冷感,蒼白,チアノーゼ,大理石様斑がきて冷汗もみられる.これらは,交感神経系刺激が過剰になっている所見である.末梢血管が収縮して後負荷が増してきて心仕事量が増し,このために心不全が増悪する.カテコールアミンの増加により血管が収縮するが,この度合が臓器で均一でなく,心拍出量の不均等な体内分布が起こっている.このために重要臓器への血流も減少気味になることがある.
 かかる状態でも血圧が下降し,脈が触れず意識も混濁したときに,早急になんらかの手段で血圧を上昇させないと死亡してしまうときにはα刺激剤で血圧上昇をはからざるをえないときもある.最近はdopamineなどのα,β作用のある薬剤も開発され,さらに長期の対策として,intra-aortic balloon pumpingがあるので,ここまでもっていく初療としての意義が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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