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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 III.呼吸器疾患 6.現代における肺結核
重症再治療患者の治療
著者: 岡安大仁1 児島克美1
所属機関: 1日大第1内科
ページ範囲:P.1850 - P.1851
文献購入ページに移動重症肺結核とは,一般に病巣を両側広範に有する有症状者で,多くの場合排菌がある.このような重症例ではあっても,今日の進歩した抗結核剤を用いると,初回治療例ではかなりの効果が期待しうるので,重症肺結核は必ずしも難治肺結核とはいえない.この点,重症肺結核と難治肺結核とは区別しておく必要がある.
再治療患者とは,化学療法の後,ある期間の無治療を経た後に再び化学療法を行う患者の場合をいうが,過去の化学療法期間や無治療の期間などについての一定の基準があるわけではない.しかし,常識的には,それぞれ1カ月以上の期間と考えてよいであろう.さて,初回治療と再治療とでは,その治療効果にかなりの差が生じうることは,病巣の陳旧化と再燃,既使用薬剤の感受性の低下などから当然理解しうることである.そこで,重症再治療例は,重症初回治療例に比較して,難治肺結核である可能性が大きいことも容易に推測しうる.とくに,RFP,EBなどの強力な二次抗結核剤の開発される以前では重症再治療例におけるこの傾向は強かったといえる.この点で,RFP,EB未使用の再治療患者と既使用のそれとでは,その治療効果にはかなりの差が生じうることとなる.
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