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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 III.呼吸器疾患 7.呼吸不全の治療と管理
肺洗浄療法
著者: 吉良枝郎1 飯島福生1 松岡緑郎1
所属機関: 1自治医大呼吸器内科
ページ範囲:P.1860 - P.1861
文献購入ページに移動慢性の閉塞性病変の存在,胸郭・腹部の手術,また筋萎縮性側索硬化症などで代表される筋・神経疾患の存在により,経気道性の加湿,抗生物質の投与,ステロイド剤を含めた気道拡張剤の投与,喀痰融解剤の十分な使用,postual drainageなどの理学療法の内科的治療を十分に行っても,気道内に増加した喀痰を十分に排除しえない状態,さらに肺胞蛋白症の場合のようにもともと気道系を介して除去しにくい物質が,びまん性に肺胞内に充填している場合に遭遇したとき,積極的にこれらを排除しなければPaO2の低下,ときにはPaCO2の上昇を伴った患者の呼吸不全状態を治療・管理することは困難となる.
この場合,まず第1に行われる対策は気管カテーテルを挿入し,これを介してカニューレで分泌物を非直視下に吸引するか,ファイバー気管支鏡を挿入しての直視下での気道内分泌物の吸引であろう.いずれが優先されるかはその施設の設備のいかんに左右されるが,近年ファイバー気管支鏡の呼吸管理への導入が一般化している.いずれの場合も気道内に付加される機械的刺激が咳嗽反射を誘発し,末梢気管支領域を充填する分泌物がcough upされ,気管支鏡の非可視領域の末梢気道系内の分泌物の排除にも有効である.
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