icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 VI.内分泌疾患 2.バセドウ病治療の要点

バセドウ・クリーゼの治療

著者: 飯野史郎1

所属機関: 1昭和大藤が丘病院内科

ページ範囲:P.2014 - P.2016

文献購入ページに移動
バセドウ・クリーゼの定義
 バセドウ・クリーゼの適正な治療を行うためには,まず,正確な診断を行うことが不可欠である.しかし,現在,バセドウ・クリーゼの定義については必ずしも統一見解が得られておらず,その判定基準も研究者によりまちまちである.それは,本クリーゼに特異的な検査所見はなく,その診断はもっぱら臨床的であって,絶対的なものではないからである.
 多くの学者の意見を総合すれば,『バセドウ・クリーゼとは,甲状腺中毒症状が急速かつ高度に増悪した状態で,しばしば致命的であり,発熱,高度頻脈,意識障害,心不全,肝機能障害などを随伴するものをいう』.しかし,より現実的には,バセドウ病患者において,甲状腺中毒症状の増悪のほかに,38℃以上の発熱と高度の頻脈が随伴する場合には,本状態の存在を疑うべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?