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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 VII.代謝・栄養障害 4.高脂血症の治療

各種リポ蛋白濃度異常と治療の適応

著者: 中村治雄1

所属機関: 1慈恵医大青戸病院内科

ページ範囲:P.2068 - P.2069

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リポ蛋白とその濃度
 血清中において正常者で認められるリポ蛋白は,カイロマイクロン(chy),超低比重リポ蛋白(VLDL,pre-βリポ蛋白),中間型リポ蛋白(IDL),低比重リポ蛋白(LDL,βリポ蛋白),高比重リポ蛋白(HDL,αリポ蛋白)である.そのほか,異常の状態の一現象として認められるリポ蛋白は,Lp-X,Floating-β(Broad-β),Lp(a)(Extra-pre-β,Midband,Double-pre-β)などがあり,一部では正常者にも認められる.
 しかも,最近,これらのリポ蛋白の役割が次第に明らかとなるにつれ,治療目標とすべきリポ蛋白が区別されるようになってきた.つまり,表に示すごとく,chyは,主として食事に由来した長鎖脂酸よりなる外因性トリグリセライド(TG)の転送を役目としている.これは,末梢の脂肪組織,筋肉などでリポ蛋白リパーゼの働きによりTGの分解を行い,エネルギー供給の役を果たしながら,chy遺残型(remnant)として肝で処理を受ける.一方,糖および脂酸を素材として,肝および腸管で内因性に合成されたTGをVLDLが運搬するが,これも同様に分解され,IDLに変化する.VLDLの分解は,必ずしも次第に小型化する経路を通るものばかりでなく,最も軽いVLDL1よりIDLへ変換するものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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