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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 VIII.神経・筋疾患 4.パーキンソン病の治療
長期治療の問題点と対策—up and down現象とon and off現象
著者: 安藤一也1
所属機関: 1国立武蔵療養所神経センター疾病研究第4部
ページ範囲:P.2122 - P.2123
文献購入ページに移動はじめに
8年来パーキンソン病の治療はL-dopa療法が主体となっている.L-dopa療法は治療初期には劇的な効果をみることが多いが,治療開始1,2年後から効果の減退を示すものが出現してくる.この治療効果の低下は,①L-dopaの中枢性副作用であるdyskinesiaや精神症状の出現率が漸次高くなり,十分有効な1日量の服用が困難となる例がでてくること,②服用後の効果の持続時間が短縮し,効果が切れてくると症状が悪化し,次の服薬でまた良くなるという症状の日内変動(up and down現象)をみるものが増加すること,③脳内の変性過程の進行により線条体でL-dopaをドパミンに変える脱炭酸酵素の減少やドパミン受容体の感受性の低下などの起きてくることなどの要因による.
さらに治療効果の減退のほかにlong-term L-dopa syndromeという特殊な状態をみることも少なくない.
8年来パーキンソン病の治療はL-dopa療法が主体となっている.L-dopa療法は治療初期には劇的な効果をみることが多いが,治療開始1,2年後から効果の減退を示すものが出現してくる.この治療効果の低下は,①L-dopaの中枢性副作用であるdyskinesiaや精神症状の出現率が漸次高くなり,十分有効な1日量の服用が困難となる例がでてくること,②服用後の効果の持続時間が短縮し,効果が切れてくると症状が悪化し,次の服薬でまた良くなるという症状の日内変動(up and down現象)をみるものが増加すること,③脳内の変性過程の進行により線条体でL-dopaをドパミンに変える脱炭酸酵素の減少やドパミン受容体の感受性の低下などの起きてくることなどの要因による.
さらに治療効果の減退のほかにlong-term L-dopa syndromeという特殊な状態をみることも少なくない.
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