文献詳細
臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VIII.神経・筋疾患 5.神経病治療の問題点
文献概要
脳卒中に対する救急医療の必要性
脳卒中は重篤で,死亡率の高い疾患である.いったん発症すると経過は急激で,一般に生存期間が短いことが知られている.従来,わが国においては,脳中には安静が重んじられ,患者は倒れた場所にできるだけ動かさないようにし,医師の往診による在宅治療を行う慣わしがあった.その理由として,疾病の性質上,重篤かつ経過が急激で,病院へ移送する期間的余裕がないことも一因と考えられるが,さらに脳卒中で倒れた場合は,何よりも安静が第1という長い間の慣習が今なおつよく残っていることを示しているように思われる.
たしかに脳卒中に安静が大切であることは,今も昔も変わりない治療上の原則と考えられるが,安静のみに固執して合理的治療に必要な診断,検査がなされないまま,いつまでも倒れた場所で保存的治療に終始することは,近代医学の進歩からみて必ずしも得策とは思われない.
脳卒中は重篤で,死亡率の高い疾患である.いったん発症すると経過は急激で,一般に生存期間が短いことが知られている.従来,わが国においては,脳中には安静が重んじられ,患者は倒れた場所にできるだけ動かさないようにし,医師の往診による在宅治療を行う慣わしがあった.その理由として,疾病の性質上,重篤かつ経過が急激で,病院へ移送する期間的余裕がないことも一因と考えられるが,さらに脳卒中で倒れた場合は,何よりも安静が第1という長い間の慣習が今なおつよく残っていることを示しているように思われる.
たしかに脳卒中に安静が大切であることは,今も昔も変わりない治療上の原則と考えられるが,安静のみに固執して合理的治療に必要な診断,検査がなされないまま,いつまでも倒れた場所で保存的治療に終始することは,近代医学の進歩からみて必ずしも得策とは思われない.
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