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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集

VIII.神経・筋疾患 5.神経病治療の問題点

片麻痺の早期リハビリテーション

著者: 横山巌1

所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院

ページ範囲:P.2142 - P.2143

文献概要

はじめに
 片麻痺の早期リハビリテーションの主なる目的は二次的合併症の予防にある.片麻痺の最大の原因疾患である脳卒中について,その機能回復の経過をみると,発病直後の広範囲にわたる重度の麻痺は,脳内の浮腫の消退,diaschisisの改善とともに軽快し,大部分の患者は発病後ほぼ6カ月で,脳内の実際に破壊された脳細胞に由来する麻痺その他の神経症状をのこすようになる.
 しかし,現実には,脳卒中発病後数カ月の間に各種の合併症が二次的に派生し,この時点で上記の病巣症状に付け加わって病像を複雑化し,機能障害を重度化していることが常である.起こりやすい合併症としては拘縮,褥瘡,筋萎縮,骨萎縮,起立性低血圧,二次的痴呆,二次的屎尿失禁(以上は廃用症候群とよばれている),肩亜脱臼,反張膝,肩手症候群,異所性骨化,末梢神経麻痺などがあげられる.これらの二次的合併症の予防が片麻痺の早期リハビリテーションの目的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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