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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 VIII.神経・筋疾患 7.いわゆる難病の治療と管理
多発性硬化症
著者: 濱口勝彦1 大野良三1
所属機関: 1埼玉医大神経内科
ページ範囲:P.2160 - P.2162
文献購入ページに移動多発性硬化症(以下MS)は中枢神経系の主として白質を障害する原因不明の慢性再発性疾患であり,その難治性のために治療法の確立が急がれているが,現在なお本症に対し特異的に有効な治療法は見出されていない.従来試みられた治療法としては,Histamine,Tetraethylammonium chloride(TEA),Hyderginなどの血管拡張剤,肝抽出液やビタミン剤,Dicoumarol,Clofibrateなどの血液凝固に関連する薬剤,Succinate,Adenosine monophosphate,Tolbutamide,Cocarboxylaseなどの糖質代謝に関連する薬剤,Galactose,Heparine,脂肪酸,消化酵素などの脂質代謝に関連する薬剤の投与や低脂肪または高脂肪の食事療法,Isonicotinic acid hydrazide投与,Piromen,膵抽出液,Pancorphen,髄腔内Tuberculin注入などの異種蛋白療法,Russian vaccine,輸血,ヒトγグロブリンやYeast(Proper-Myl)の静脈内投与などがあげられるが,いずれも効果は明らかでない.
本稿では現在試みられている特異的療法について概説するとともに,増悪予防の一般的注意,筋力低下,膀胱直腸障害,疼痛などに対する対症療法,合併症の対策について述べることとする.
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