文献詳細
臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IX.免疫・アレルギー疾患 2.アレルギー疾患の全身療法
文献概要
はじめに
1910年,イギリスのNoonが花粉症の患者に花粉の抽出液の少量から,漸次増量して注射する現在の減感作療法を多数の患者に実施し,かなりの好成績をあげてから広くこの治療法が行われてきた.わが国では川上が室内塵抽出液を用いて初めて喘息患者に減感作療法を実施してから20年をすぎ,現在では減感作療法は喘息,アレルギー性鼻炎などアレルギー性疾患の治療法として位置づけられ,その有効性についても多くの研究がなされ異論は一掃された感がある1),しかし,社会保険支払基金における筆者の乏しい観察でも,一般開業医家のアレルギー疾患に対する減感作療法の関心は未だ多くない.
その原因はどの辺にあるか.アレルゲン決定の面倒さか,周囲にある無数のアレルゲンに比し,実際治療に使用するアレルゲンエキスは少なく,この療法の限界もあることか,また有効性が少ないと考えられているのであろうか.この時にあたり,昨年,日本アレルギー学会において川上会長は気管支喘息治療の再評価をシンポジウムにとりあげられた.その内容をふまえて,減感作療法について述べてみたい.
1910年,イギリスのNoonが花粉症の患者に花粉の抽出液の少量から,漸次増量して注射する現在の減感作療法を多数の患者に実施し,かなりの好成績をあげてから広くこの治療法が行われてきた.わが国では川上が室内塵抽出液を用いて初めて喘息患者に減感作療法を実施してから20年をすぎ,現在では減感作療法は喘息,アレルギー性鼻炎などアレルギー性疾患の治療法として位置づけられ,その有効性についても多くの研究がなされ異論は一掃された感がある1),しかし,社会保険支払基金における筆者の乏しい観察でも,一般開業医家のアレルギー疾患に対する減感作療法の関心は未だ多くない.
その原因はどの辺にあるか.アレルゲン決定の面倒さか,周囲にある無数のアレルゲンに比し,実際治療に使用するアレルゲンエキスは少なく,この療法の限界もあることか,また有効性が少ないと考えられているのであろうか.この時にあたり,昨年,日本アレルギー学会において川上会長は気管支喘息治療の再評価をシンポジウムにとりあげられた.その内容をふまえて,減感作療法について述べてみたい.
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