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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 X.血液・造血器疾患 1.貧血の治療
再生不良性貧血に対する蛋白同化ホルモン療法
著者: 広田豊1
所属機関: 1国立名古屋病院血液病センター
ページ範囲:P.2194 - P.2197
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再生不良性貧血(以下再不貧と略す)は骨髄中の幹細胞が障害をうけているものと推測され,その影響かまたは骨髄微小環境(HIM)の障害も関連してか分化方向をもった幹細胞のunitであるCFU-EおよびCFU-Cの産生低下が証明される.根本的に荒廃しきった骨髄組織の置換が最も合目的治療法であるが,実際臨床上これを推進する骨髄移植については技術的にもまた社会医学的にも問題が残されており,一般普及には未だ時を要する.そこで,骨髄刺激を期待し血球の増加をはかる薬物療法が取り上げられることになるが,これには昨今蛋白同化ホルモン(以下「蛋白ホ」と略す)・男性ホルモン(以下「男性ホ」と略す)が第一治療選択剤としての評価を得つつある.
この治療法が再不貧治療に取り上げられる端緒となったのは,乳癌患者の治療に男性ホを投与していると血球の増加がみられたとすることより1),再不貧に対し小児についてはShahidi,Diamondらの副腎皮質ステロイドホルモン(以下「副皮ホ」と略す)と本剤の併用2)がまた成人再不貧に対してGardnerらの報告を以ってである.
再生不良性貧血(以下再不貧と略す)は骨髄中の幹細胞が障害をうけているものと推測され,その影響かまたは骨髄微小環境(HIM)の障害も関連してか分化方向をもった幹細胞のunitであるCFU-EおよびCFU-Cの産生低下が証明される.根本的に荒廃しきった骨髄組織の置換が最も合目的治療法であるが,実際臨床上これを推進する骨髄移植については技術的にもまた社会医学的にも問題が残されており,一般普及には未だ時を要する.そこで,骨髄刺激を期待し血球の増加をはかる薬物療法が取り上げられることになるが,これには昨今蛋白同化ホルモン(以下「蛋白ホ」と略す)・男性ホルモン(以下「男性ホ」と略す)が第一治療選択剤としての評価を得つつある.
この治療法が再不貧治療に取り上げられる端緒となったのは,乳癌患者の治療に男性ホを投与していると血球の増加がみられたとすることより1),再不貧に対し小児についてはShahidi,Diamondらの副腎皮質ステロイドホルモン(以下「副皮ホ」と略す)と本剤の併用2)がまた成人再不貧に対してGardnerらの報告を以ってである.
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