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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 X.血液・造血器疾患 1.貧血の治療

葉酸治療の適応と投与法

著者: 高橋隆一1

所属機関: 1済生会中央病院内科

ページ範囲:P.2200 - P.2201

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葉酸についての基礎的事項
 葉酸の構造 一般的に葉酸とは葉酸同族体folatesとして総称される一群の化合物をいう.その基本的構造は,図に示すプテロイル・モノグルタミン酸pteroylmonoglutamic acid(以下PGAと略す.狭義の葉酸folic acidである)で,プテリジンとパラアミノ安息香酸とから成るプテロイン酸に1個のグルタミン酸が結合している.葉酸同族体としては,①複数のグルタミン酸(通常5〜6個)の結合した型(polyglutamate),②プテリジン核に2ないし4個の水素が結合した還元型(それぞれFAH2,FAH4とよばれる),③5または10の位置にホーミル基(-CHO),メチル基(-CH3-),メチレン基(-CH2-),メチニル基(-CH=),ホルムイミノ基(-CHNH-)などの結合した型がある.
 所要量および貯蔵量 血液葉酸値の低下をきたさない最少葉酸摂取量は50〜100μg/日以上で,葉酸欠乏症で血液学的反応を起こし得る最少葉酸投与量は25〜50μg/日または100〜800μg/日といわれているので,成人の葉酸所要量は100〜200μg/日とされている.乳児の場合には5〜20μg/日,妊娠の場合には200〜300μg/日である.成人の体内貯蔵量は10〜20mgである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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