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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集 XI.腎疾患 6.その他の腎疾患

腎結石の成因と経口治療の適応

著者: 園田孝夫1

所属機関: 1阪大泌尿器科

ページ範囲:P.2297 - P.2299

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はじめに
 尿路結石症は最近ではきわめて頻度の高い疾患の一つとなっている.尿路結石症は上部尿路結石症と下部尿路結石症に大別されているが,いずれも尿路のどこかに尿流通過障害があり,そのために尿路内尿停滞や尿路感染が合併し,結石発生の原因となることが多い.とくに下部尿路結石(膀胱結石)では尿道狭窄,前立腺肥大あるいは膀胱頸部狭窄などの通過障害が原因となっていることが多い.同様のことは上部尿路結石(腎結石)についてもいい得ることで,腎回転異常,腎性盂腎?腫,嚢胞腎,馬蹄腎あるいは海綿腎などに結石を合併する頻度が高い.以上のごとき尿路通過障害に起因する尿路結石は,通過障害そのものを根本的に治癒せしめ得ぬ限り結石の再発は避けられない.すなわち,その状態によっては外科的に治療の可能なものと不可能なものとがあるのは当然である.
 リン酸マグネシウムアンモニウム結石(struvite)は尿路感染症,ことに尿素分解細菌の感染症にみられ,腎では巨大なサンゴ状結石を形成する傾向があるが,これには前述の尿路通過障害の存在が前提となっていることが多い.この種の結石の発生防止あるいは結石の増大防止には菌種の確定と十分な化学療法を行うことが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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