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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻13号

1978年12月発行

文献概要

今月の主題 リポ蛋白—最近の知識 リポ蛋白の代謝と役割

超低比重リポ蛋白(VLDL)

著者: 中谷矩章1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.2372 - P.2373

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はじめに
 カイロマイクロンが外因性のトリグリセライドを運搬するのに対して,VLDL(very low density lipoprotein)は内因性に合成されたトリグリセライドを運ぶ役目をもち,肝と小腸でつくられる.流血中に見られるVLDLは,直径300〜800Aの大きさに分布し,その組成も大きさとともに変化するが,蛋白10%,トリグリセライド50〜60%,コレステロール15〜20%(エステル型:遊離型の比は1.3),燐脂質15〜20%,それに少量の糖質よりなるということができる.VLDLが大型になるにつれて,トリグリセライドの比率が増加する.
 リポ蛋白中の蛋白をアポ蛋白と呼ぶが,VLDLは主要なアポ蛋白として,アポB,アポC-1,アポC-II,アポC-III,アポE(Argininerich protein)をもち,他に少量のアポA-I,アポA-II,アポD(Thinline protein)をもっていることが知られている.このうち,アポBはVLDLの構成に必須のものであるが,そのほかのものは構成因子としては不可欠でなく,機能面での役割が大きいと考えられている.すなわち,アポC-IIはLPLの活性化因子,アポC-IIIはそれの抑制因子,アポA-IおよびアポC-IはLCATの活性化因子であることが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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