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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻13号

1978年12月発行

文献概要

今月の主題 リポ蛋白—最近の知識 高リポ蛋白血症

高VLDL血症

著者: 本間康彦1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.2384 - P.2385

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 最も動脈硬化の原因となりやすいリポ蛋白はLDLと考えられるが,VLDLはその前駆リポ蛋白である.VLDLは主に肝臓で合成され,一部は腸管壁で合成される.血中に分泌されたVLDLは,脂肪組織,筋肉,心臓,肺などの組織に存在する肝外性TGリパーゼ(リボ蛋白リパーゼ)によりトリグリセライドを除かれると,中間型リポ蛋白(IDL)を経てLDLに変換する.VLDLはトリグリセライドに富み,その約60%をトリグリセライドが占め,蛋白,コレステロールが各々10%を占める.VLDLの構成蛋白は,アポ蛋白Bが約40%,アポ蛋白C-I,C-II,C-IIIが約60%で,アルギニン豊富蛋白(arginine-rich protein,ARP)が少量含まれている.これらアポ蛋白が,リボ蛋白,脂質代謝に影響を及ぼす.
 たとえばアポ蛋白C-IIは,肝外性TGリパーゼのcofactorで,アポ蛋白C-IIがないと肝外性TGリパーゼは作用しない.アポ蛋白C-III,ARPは逆に肝外性TGリパーゼ活性を阻害する.またアポ蛋白C-Iは,血中でコレステロールェステルを生成する酵素,レシチンーコレステロールーアシルトランスフエラーゼ(LCAT)活性を亢進させる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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