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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻13号

1978年12月発行

文献概要

今月の主題 リポ蛋白—最近の知識 リポ蛋白代謝に関する検査

Phospholipase

著者: 野間昭夫1

所属機関: 1東京都養育院付属病院研究検査部

ページ範囲:P.2407 - P.2407

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 Phospholipase(PLaseと略す)は存在部位の面からみると,①蛇毒の酵素,②消化酵素,③動物や微生物組織中の細胞内酵素,の3種がある.本題である血清リポ蛋白代謝に関するPLaseの問題は,現在のところ未だ検査レベルになっていないが,関連あるものとしてpost-heparin plasma中のPLaseについて述べる.
 血清リポ蛋白の構造を考えると,中央にあると考えられるトリグリセリドにlipoprotein lipaseが働くためには,より表面にある燐脂質の分解が必要であろう.そこでpost-heparin plasma中にPLaseが存在するであろうことが容易に想像され,1964年VogelとZieve1)によって発見された.その後彼ら一派の研究によって,このPLaseは膵PLaseと異なり,①α位を分解する,②EDTA,Ca++などの影響を受けない,③熱に比較的弱い,などのことがわかった.その後Doizakiら,Vogelらはpost-heparin triglyceride lipase(PH-TGLと略す)と分離できないことから,疑問を残しながらも同一酵素であろうかと考えた.1972年にZieveら2)は,肝摘除ラットでPH-TGLとPLaseとは臓器由来を異にし,PLaseは肝に由来することを報告した.この頃より別項で示されたごとく,PH-TGL中に肝外性と肝性のTGLが存在することがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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