icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina15巻2号

1978年02月発行

文献概要

今月の主題 急性期脳卒中の臨床 基礎

膵臓の機能

著者: 杉本正邦1 内藤聖二2

所属機関: 1順大伊豆長岡病院内科 2順天堂大学災害医学研究所

ページ範囲:P.171 - P.173

文献購入ページに移動
はじめに
 膵臓の機能は内分泌部と外分泌部に分けられ,内分泌部は膵島を形成し,中にインスリンを分泌するB細胞,グルカゴンを分泌するA細胞,その他のホルモンを分泌するD,G細胞などが含まれている.外分泌部には主として蛋白,膵酵素を分泌する腺房細胞と,水分,重炭酸塩を分泌する膵管上皮系細胞がある.これらの内外分泌細胞は相互に関連性を有しており,消化管ホルモンや血中の栄養,代謝物質に反応して活動しているものと考えられている.
 内外分泌細胞を最も強力に刺激する因子としてセクレチンは1902年に発見され,塩酸が小腸に進入すると小腸粘膜中に存在するセクレチン分泌細胞からセクレチンが放出され,血中を介して膵管上皮系細胞に到達し,水,重炭酸塩は大量分泌排泄されることが知られている.膵酵素はCCK-PZ(コレチストキニン・パンクレオザイミン)とCa++,アセチルコリンなどの作用により,腺房細胞より分泌されるが,CCK-PZ作用はセクレチンにより増強される.また,水,重炭酸塩の分泌はセクレチンとVIPによる膵動脈の血流増加によりさらに強力となる.一方,セクレチンは膵よりインスリンを分泌させるホルモンでもあり,他方ガストリン分泌を抑制する作用も著明に認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら