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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻2号

1978年02月発行

今月の主題 急性期脳卒中の臨床

診療の実際

急性膵炎

著者: 斎藤洋一1 中島康之1

所属機関: 1東北大第1外科

ページ範囲:P.228 - P.230

文献概要

はじめに
 急性膵炎の治療に関する歴史的変遷をみると,かつては早期手術が是認され直接膵に侵襲を加えるような積極的な手段がとられてきたが,その手術成績はきわめて悪く,50%前後の死亡率であった.その後早期手術に批判的な意見が多くなり,1938年のNordmannの報告以来絶対的保存療法の治療方針がとられ最近に至っている.
 しかし,近年外科治療の進歩に伴い従来ほど手術死亡率は高くなく,かつまた積極的な手術をすすめる報告が多くなってきた.胆道系に対する手術の有用性に関しては多くの報告があり,さらにLawsonら1)は膵周辺の積極的なドレナージを,伊藤ら2)は後腹膜腟のドレナージが有効と報告している.またLawsonら1)は重症膵炎に対して胃瘻空腸瘻造設兼胆道ドレナージが有効であり,Hollerlderら3)は膵全摘術などを報告している.また一方,急性膵炎時の呼吸不全,DIC,腎障害などの合併症の報告もあり,これらに対する処置に関しても報告がみられる.今回筆者らは自験例をもとに,急性膵炎の手術適応,治療などに関する若干の問題について触れてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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