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雑誌目次

雑誌文献

medicina15巻3号

1978年03月発行

雑誌目次

今月の主題 胸痛の診かた・とらえかた

理解のための10題

ページ範囲:P.390 - P.392

胸痛患者診かた—問診から身体所見まで

呼吸器疾患

著者: 佐竹辰夫

ページ範囲:P.324 - P.325

発生機序と基礎疾患
 今まで疼痛は神経自由終末に生じた神経インパルスが上行性の経路を経て中枢に達し,覚認されるといわれてきた,しかし最近では情動や不安,それに対応する動作を起こすなどの一連の神経機構としてgate control systemとよばれる系が考えられており,また発痛物質としてセロトニン.アミン・ポリペプチドなどが注目されてきた.
 胸痛は表在痛(胸壁由来)と深部痛(内臓由来)に大別されているが,主な罹患部位・疾患名,および青柳らのクリニックにおける発症率を示すと表のようである.また,内臓疾患由来の関連痛を示すと図のようである.

循環器疾患

著者: 森文信

ページ範囲:P.326 - P.327

はじめに
 今日,当院のような病院では,胸痛を訴えて来院した場合,診察の時間を短縮し能率を上げるために,主訴と簡単な問診だけをまず済ませ,一般検尿,血球計算,胸部x線撮影および心電図などの検査を指示し,その結果をみながらさらに詳細な問診をしたり,さらに必要な検査を行う方法をとらざるをえないような状況である.あるいは,あらかじめ12誘導心電図を調べることなしにMasterの2段階負荷試験を行って,診察のときになって負荷をしてはならない心疾患であることを発見して狼狽することもある.本来,問診を十分に行い,身体の診察を行ったうえで必要な検査を行うべきであるのに,ときとしてこのような事態になりがちである.このような過ちを防ぐ意味でも,病歴をとり,視診,触診,聴打診,血圧測定をまず行うことがもう一度強調されなければならない.

随伴症状からみた胸痛

発熱

著者: 小野寺壮吉 ,   清水哲雄

ページ範囲:P.328 - P.329

はじめに
 発熱とは,産熱が放熱を上まわる状態またはこの両者が高体温レベルで平衡している状態をいう.物理的,化学的,あるいは生物学的反応のバランスに変化があれば,体温調節機構にもひずみを生ずることになる,発熱物質(pyrogen)としてあげられているものには,lipopolysaccharide,serotonin,2-4 dinitrophenolなどのほか,最近はprostaglandin(PGE1)の関与が注目されている.
 発熱は微熱(37℃〜38℃)と高熱(38℃以上)に分けられる.熱型からは稽留熱,弛張熱,間欠熱,周期熱,1〜3日の一過性の発熱,不規則な発熱などと呼ばれる.また,持続期間については,1〜3週間ぐらいの短いものと,それ以上の期間続くものとがあり,さらに早期症状として発熱する場合と,他の症状より発熱が遅れる場合がある.しかし,最近は早い時期から抗生物質やステロイドなどの投与されることがあるため,典型的な熱型をみることは少なくなってきた,発熱の頻度として,一般細菌,ウイルス,結核菌,真菌,リケッチア,原虫などによる感染症が約50%と圧倒的に多く,次いで悪性腫瘍,膠原病などである.

息切れ

著者: 今野淳

ページ範囲:P.330 - P.331

はじめに
 息切れの原因として閉塞性,拘束性肺疾患,肺血管,心疾患,代謝性疾患,神経,筋疾患,心因性によるものなどがある.また,胸痛は胸壁など骨,筋肉,皮膚を含む表在性胸痛と,胸膜,心嚢,心,縦隔などを含む内臓性胸痛とに分けられるが,息切れを伴う胸痛は内臓性胸痛を伴うことが多い.
 息切れは数種の知覚の複合から起こる症状で,呼吸運動を行ってもそれに匹敵する換気が行われないとき,息切れを感ずる.息切れを起こす原因には,臓器障害性の息切れと,機能的,あるいは心因性の息切れがあるので,臓器障害性と心因性の息切れの鑑別には慎重でなければならない.心因性の息切れは休息時にも起こって,運動により増悪しない.夜間,息切れが起こって平らに寝られずに起きるときは,心臓性か気管支喘息が考えられる.ことに起坐呼吸のような状態になるときは,心肺の機能検査を速やかに実施して診断をつけるべきである.また,運動によって増悪する息切れは臓器障害性のことが多い.今まで健康な人間に突然起こる息切れは自然気胸によることが多い.突然起こる息切れには心臓性,ことに心筋梗塞,あるいは気管支喘息の初めのこともある.また,手術後の患者,あるいは長い間,就床していた患者に突然起こる息切れには肺塞栓症も考えねばならない.

チアノーゼ

著者: 荒井達夫 ,   吉良枝郎

ページ範囲:P.332 - P.333

はじめに
 胸痛を主訴とする症例はほとんど毎日の臨床で遭遇するといってよい.その原因疾患としては,本号でもあげられているように,
 1)胸壁疾患:骨折・肋骨への腫瘍転移・肋間神経痛・帯状疱疹

咳・疾・喀血

著者: 田村昌士

ページ範囲:P.334 - P.335

はじめに
 胸痛を訴える患者を診る場合,それに随伴する症状をよく聞きだすことは鑑別診断上大変重要なことである.胸痛があって咳・痰・血痰ないし喀血を伴うときは,気管・気管支・肺のみならず,胸膜・心・心嚢・縦隔・大動脈・食道などにも病変があることを予測しなければならない.このような胸痛は内臓性胸痛とよばれており,これに対し肋間神経痛などは表在性胸痛とよばれ,咳・痰などの呼吸器症状に乏しい.

胸痛の検査法

検査のすすめ方

著者: 金上晴夫

ページ範囲:P.336 - P.337

はじめに
 胸痛を主訴とする患者を診たときには,その胸痛がどのような疾患に由来するものなのかを鑑別しなげればならない.鑑別して正しい診断をつけることが,そのまま正しい治療につながるのである.
 さて,鑑別診断を行い,正しい診断をつけるためには,いろいろな検査を行い,一歩一歩診断に近づくわけだが,その場合,緊急な治療,すなわち救急治療を必要とする疾患による胸痛かどうかを診断すろことが何よりも重要である.

胸部X線

著者: 松山正也

ページ範囲:P.338 - P.341

はじめに
 胸痛のなかには比較的軽症で通常の吸気で立位背腹撮影にたえられるものから,激烈な痛みのため仰臥位または半座位で,しかも不十分な吸気での撮影に頼らなければならないものまで種々である.いずれの撮影によるにしろ,撮影の条件を一定にして行うことが写真評価の上できわめて大切である.通常用いられる立位での胸部X線撮影はX線焦点-フイルム間距離(FFD)2mで,またポータブル装置による臥位または半座位撮影では1mで撮影が行われることが多い.これはとくに,心・血管の状態を写真上で検討する上できわめて重要であり,撮影のたびごとにFFDが変化したり,撮影の方向が変わったりしては,疾病の経過観察に大変不利である.
 また,撮影時の呼吸の位相も一定にしておかなければ,横隔膜の位置によって心横径や肺血管のパターンが変化して診断が困難になる.一般に,胸部撮影が吸気で行われるのは,肺を十分に拡張させることによって肺野の所見をより多くとらえることができるようにするほかに,一定の呼吸位相をねらうためである.厳密には,深吸気での呼吸停止ではバルサルバ効果をきたして肺血流量が減少するわけであるが,日常の診療上では特別なバルサルバ呼吸を行わないかぎり,心・肺血管にX線上さほど影響を与えないと考えてよい.

心電図

著者: 戸山靖一

ページ範囲:P.343 - P.345

はじめに
 胸痛ないしは絞扼感,圧迫感などを訴える患者は数多い.しかし,胸痛があれば,生命の危険性を考えると,まず心筋梗塞かどうか,狭心症かどうかを疑うのが常道であろう.したがって,胸痛を訴える患者は心電図をとることになる.
 そこで,心電図をとった場合,その所見からどう診断して行くかを,ここで述べることにする.

胸痛を伴う主な疾患

自然気胸

著者: 大畑正昭

ページ範囲:P.346 - P.348

はじめに
 既にHippocratesの頃よりpleuraのsuccusionsplashとして記載された自然気胸は,1960年頃から世界的に飛躍的な増加を示している.従来,特発性とされていた自然気胸の多くが,開胸手術によって胸膜直下の気腫性肺嚢胞に関連することが明らかとなった.また,いわゆる続発性,随伴性といわれる気胸例も多く,今や胸部疾患診療上気胸の占める割合は年々増加の傾向にある.本稿では,胸痛を主訴とする疾患として自然気胸がとりあげられたが,筆者らの取り扱った自然気胸患者の多くのものが初発症状として胸痛を訴えていることに改めて注目し,少しく分析を試みた.

胸膜炎

著者: 吉田稔 ,   関雅彦

ページ範囲:P.349 - P.351

はじめに
 胸膜炎の原因疾患は非常に多い,その発症の仕方から,胸膜そのものに原因がある原発性と,隣接臓器からの炎症の直接波及や,遠隔臓器よりの血行性経路により生ずる続発性の胸膜炎とに大きく分けられる.その原因が何であれ,胸痛はほぼ必発の症状であるが,それ以外の症候からもまず胸膜炎を疑い,その原因疾患の鑑別を考えながら確診のための検査を進める必要がある.それによって的確な治療方法が自ら立てられてくる.

肺炎

著者: 山本正彦

ページ範囲:P.352 - P.353

最近の肺炎についての考え方
 今日では肺炎の概念は多彩になってきている.肺炎は通常,いわゆる肺炎(肺胞性肺炎pneumonia)と間質性肺炎(肺臓炎pneumonitisとも呼ばれる)と分けられるが,前者は肺胞腔を炎症の場として激しい浸出性の急性病変が起こり,肺胞壁の変化が少ないもので,肺炎球菌性肺炎に代表される細菌性肺炎がこれに属する.一方,間質性肺炎は炎症の場が肺胞壁を主体としており,通常はひき続き線維化が起こるもので,その代表にはHamman-Rich症候群がある.
 しかし,最近の治療法の進歩や患者の老齢化により,肺炎桿菌,緑膿菌,大腸菌群などの弱毒菌によって遷延化し,肺胞性肺炎の像に間質性肺炎の像も混った中間型の肺炎が増加しており,一方,間質性肺炎もその疾患の主座である肺胞上皮はガス交換の場で肺実質そのものであると考えられるので,両者をあえて分けなくともよいとされており,したがって,肺炎の範囲は広範なものとなりつつある.

肺癌—Pancoast tumorを含む

著者: 成毛韶夫

ページ範囲:P.354 - P.355

肺癌における胸痛の頻度
 肺に原発する癌は,60〜70歳代の男性に多く,40歳以下の年齢では非常に少ない.肺癌は気管支粘膜上皮から発生するのが大部分であるから,主な症状が気管支の刺激症状であることは当然のことであるが,胸痛も肺癌にかなりみられる症状の一つである.
 肺癌患者が初発症状として胸痛を訴える頻度は,Mason(1949)が1000例について24%,Arielら(1950)が1109例について25%,Taylorら(1950)が1952例について22%,La Due(1955)が811例について23%と報告している.国立がんセンターにおける切除467例についての肺癌の初発症状では,咳嗽,血疾,喀疾,発熱についで多く,8.6%であった(図1).すなわち,初発症状としての胸痛の頻度は8〜25%である.病期の早いものでは胸痛も激しいものではなく,むしろ痛みまたは不快感は漠然としており,主として患側の異和感,重圧感,鈍痛程度のもので,その原因は腫瘍の増殖進展による気管支の閉塞,胸膜浸潤,縦隔への癌浸潤,肺の二次感染,気管支の痙攣などによるものと考えられる.

肺塞栓症

著者: 大崎饒

ページ範囲:P.356 - P.357

はじめに
 肺塞栓症(肺血管床を閉塞する物質として,脂肪球<外傷時>,羊水,腫瘍細胞,あるいは空気などの稀な例を除いてその多くは静脈血栓由来のものであるから,ここでは肺血栓塞栓を意味する)は,わが国においても胸痛をきたす疾患のうち,重要な位置を占めるようになってきた.これは発生の頻度の増加と,依然として確定診断の困難なことに起因するものと考えられる.
 血栓の起源は,慢性心房細動時の右房に生じた壁在血栓,あるいは肺動脈自体に生じた血栓に由来するものもあるが,これらは比較的稀で,ほとんどは下肢または骨盤の深在静脈の血栓によると考えられている.この意味では,肺血栓塞栓症は末梢静脈血栓症の合併症の一つと考えられる.

心筋梗塞と狭心症

著者: 遠藤哲 ,   真柴裕人

ページ範囲:P.358 - P.361

はじめに
 胸痛をきたす諸疾患のなかで,心筋梗塞と狭心症は代表的なものであり,両者とも虚血性心疾患の中に含まれる.WHOの報告では,虚血性心疾患を①労作狭心症,②心筋梗塞,③中間型,④無痛性虚血性心疾患に分類している.本稿では前3者について述べるが,ここでいう狭心症とは冠状動脈の器質的・機能的異常に基づくものをさしている.

解離性大動脈瘤

著者: 中野赳 ,   竹沢英郎

ページ範囲:P.362 - P.364

はじめに
 解離性大動脈瘤は,背部に放散する激烈なる前胸部痛で始まり,短期間で致死的な経過をたどることが多い.以下,症例を呈示し,その胸痛を中心に述べる.

急性心外膜炎

著者: 太田怜

ページ範囲:P.365 - P.367

症例 24歳,男性
 ある朝,午前3時頃,急に左胸部を中心として全体に重苦しい感じがして起きた.息苦しく動悸も覚えた.近くの医師に診てもらい,筋注をうけた.多少重苦しさがとれたような気がしたが,臥位,側臥位では苦しく布団の上に起き上がっていた.
 7時頃になって,それでも自分で車を運転して勤務に出た.やはり左前胸部が重苦しいので,9時頃また他医を訪問し,狭心症ではないかといわれてnitrolを投与され,ソセゴンの筋注とペルサンチンの静注をうけている.それでも左側の胸痛,重苦しさはとれないので,午後2時,心筋梗塞の疑いで入院した.

肺高血圧症

著者: 前田如矢

ページ範囲:P.368 - P.369

はじめに
 肺高血圧とは,肺動脈圧が正常範囲をこえて高い場合をいい,原因の明らかな続発性のものと,原因不明の原発性のものとがある.
 原発性肺高血圧症はその成因がいまだ不明ではあるが,現在では一つの疾患単位と考えられている.本症は種々の臨床症状を示すが,特異的といえるものはなく,すべての症状や所見は,すべて高度の肺高血圧症に基づくものである.胸痛は本症にしばしば認められる主訴ではあるが,必ずしも特徴的なものではなく,胸痛を訴える他疾患を診断する上に,除外するべきものとして,念頭におくべきものの一つである.

帯状疱疹

著者: 籏野倫

ページ範囲:P.370 - P.371

はじめに
 帯状疱疹は発疹のほか,特有な疼痛を訴える.周知の通り片側の一定の神経支配領域に沿って生ずるが,肋間神経領域を犯すものがきわめて多い(片山氏によれば487例中,肋間神経248例,三叉神経97例,そのうち第1枝77例)ために,主題の胸痛の診かたととらえ方の対象となる疾患の中に含まれる.

肋間神経痛—脊椎・神経疾患を含む

著者: 高木洲一郎 ,   本多虔夫

ページ範囲:P.372 - P.373

いわゆる肋間神経痛とは何か
 一般に,神経痛とよばれるもののなかには,原因の明らかでない,いわゆる特発性,一次性のものと,原疾患に基づく二次性のものが含まれている.たとえば,三叉神経痛は前者の代表的なものである.すなわち,三叉神経痛のなかには聴神経腫,副鼻腔や口腔内腫瘍,あるいは齲歯などの症候性のものが含まれてはいるが,頻度は少なく,大部分は特発性である,そして疼痛の部位や,trigger zone,好発年齢など定型的な臨床的特徴をもつ神経痛である.
 これに対し,肋間神経痛といわれるものの場合は特発性のものはまず浮在しないと考えてよく,先にふれた三叉神経痛の場合とはまったく性質を異にするものであることを,まず認識しておかなければならない.

縦隔腫瘍

著者: 浜田朝夫 ,   松田昌子

ページ範囲:P.374 - P.375

縦隔腫瘍と胸痛
 縦隔腫瘍の主訴として胸痛が重きを占めるとは必ずしもいえない.むしろ縦隔腫瘍の特徴は,その疑いをもたすような自覚症状がなく,検診などの機会に,偶然に胸部x線上に異常陰影を認められ,検査をはじめる場合が多い.
 しかし,胸痛は血行閉塞,嗄声,嚥下困難,咳,リンパ節腫脹などとともに縦隔腫瘍の主要な自覚症状である.すなわち,腫瘍が無自覚的に増大し,縦隔内の周辺臓器に圧迫,侵襲を及ぼした場合である.縦隔はそのゆるやかな結合織の内に上部縦隔には胸腺,上部食道,気管,胸管,大動静脈,横隔膜神経,反回喉頭神経,交感・迷走神経が,中・後縦隔にも心嚢,心,主気管支,肺動静脈など多くの臓器が輻輳して存在する.したがって,これらの臓器へ影響が及べば胸痛の原因になりうる,その痛みは胸骨の後または肩甲間部に訴える胸膜性の疼痛から,肋間神経さらには脊髄神経内へ病変が進展すれば強い痛痛を伴う.痛痛がはじまり,それが急に,かつ持続性に増強するような場合は、腫瘍の性質が悪性であることを考えなければならない.

ゴルフ骨折

著者: 石田肇

ページ範囲:P.376 - P.377

はじめに
 整形外科領域で骨折の特有な機転として,マラソンや長距離の強行軍のときに,くり返しの筋肉の収縮による小外傷により,ちょうど,針金を何回も折りまげていると金属に疲労現象が起こって連続性がたたれついには折れてしまうのと同様に,下腿の脛骨上部や足の中足骨部に疲労骨折を起こすことが知られている.他方,野球のピッチャーにみられる上腕骨骨折や,破傷風や,精神科などで用いられる電気ショック療法で,相反する方向に筋力が作用したり,痙攣による反復する筋収縮により,すなわち,自家筋力で,上腕骨や脊椎骨椎体の圧迫骨折を起こすことが知られている.この自家筋力によりくり返しの外傷が加わるために,ついには骨の連続性が断たれ疲労骨折を起こすことは,Clay-Shoveller fractureシャベル骨折の棘突起骨折,cough fracture咳骨折の肋骨骨折などが有名である.
 これとまったく同じ機転で,最近の老若を問わないゴルフブームで,ことに連日indoorで何百回もゴルフスイングをすることにより,肋骨骨折を起こすのが,ゴルフ骨折あるいはゴルフスイング骨折である.臨床的には頑固な胸痛を訴えることと,既往に,ゴルフを始めて,数ヵ月以内で,猛練習をしている最中に突発的な胸痛を覚えることなどがある.これは,胸痛を伴う疾患として重要な項目の一つで,整形外科医が診るより内科医の手にかかることの多いことで注意を喚起する.

消化器疾患

著者: 安部井徹

ページ範囲:P.378 - P.380

食道疾患
 消化器疾患の症状は,一般に臓器指向的ではなく,たとえば腹痛にしても,それがある臓器の病変をさし示すというようなことは少ない.しかし,食道疾患ではこの臓器指向性が強く,症状から食道に病変部を推定して間違いのないことが多い,しかも食道のどの部分に病変があるかということもだいたい推定できる.
 このような食道疾患の症状の中で,最も大切な症状は嚥下困難dysphagia(食道性嚥下因難)であるが,胸骨の裏面に感じられる胸痛も大切である.

Clinical Conference

激烈な胸痛を主訴とした家婦の例

著者: 田中隆二 ,   林田憲明 ,   金上晴夫 ,   勝呂長 ,   岡安大仁

ページ範囲:P.381 - P.389

症例 U. N. 32歳,女性
 主訴右側胸部痛
 現病歴 昭和46年1月7日,とくに原因と思われることなしに体動時に軽度の息切れを自覚したが,安静で経快したので医治をうけることなく放置していた.同年1月22日,夜間,突然に右側胸部から背部にかけて刺痛様の疼痛を覚えた.瘍痛の程度は中等度で,労作によって増強し,かつ断続し深呼吸が妨げられるほどであった.咳,痰,発熱および皮疹などはなかった.同夜,近医を受診したところ,神経痛ではないかと言われて治療をうけた,同月24日,胸部X線写真で右中下肺野の異常影を指摘されて,精査の目的で翌25日当院内科を受診した.

心電図の診かたとその鑑別 基礎編・波型異常のみかた・3

ST異常

著者: 太田怜 ,   前田如矢

ページ範囲:P.394 - P.400

 前田 心電図のSTは,どういう現象を表現する所見でしょうか.
 太田 心筋そのものの再分極の状態は,ST・Tの変化として現れるのですが,心筋の状態がどうなっているのかをみていると考えていいと思います.

演習・X線診断学 血管造影写真読影のコツ・15

頭部血管造影(3)—腫瘍による血管の偏位

著者: 志賀逸夫

ページ範囲:P.405 - P.411

midline shift
 天幕上では,前大脳動脈(主にpericallosal artery)と内大脳静脈の偏位があり,後頭蓋窩ではprecentralcerebel1ar vein,後下小脳動脈のvermis branchおよびinferior vermian veinの偏位がある.これらはいずれも大脳半球間,小脳半球間,その他の裂溝に深く入り込んでいるので,一側性の占拠性病変によって敏感に偏位を生ずるし,また偏位が重要な意味を持つ.正中あるいは傍正中を走っていても,裂溝内へ入っていない血管はmidline shiftのよい指標とはならない.
 前大脳動脈の偏位は大脳鎌下での大脳半球の対側への脱出を示しているので,subfalcial herniationとも呼ばれる.大脳鎌は非常に硬い組織で,髄膜腫のような腫瘍を除いて偏位や変形を生じにくい.pericallosal arteryは大脳鎌下にあり容易に偏位するが,末梢では大脳鎌に接しており正中へ戻る.frontopo1ar, callosomarginalarteryなどは分岐後すぐに大脳鎌のレベルに達するので偏位しがたい.

図譜・大腸内視鏡診断学

III.大腸炎症性疾患(2)—大腸結核症

著者: 佐々木宏晃 ,   長廻紘

ページ範囲:P.401 - P.403

 腸結核は,主に回盲部に限局性の潰瘍を形成する炎症性疾患の一つとして,Crohn病との関連で最近再び注目されるようになり,本邦ではまだ決して少なくない疾患である.もちろん抗結核剤の発達により,その数は以前に比し減少しており,発見されるものも典型的な潰瘍形成性の活動性のものは減少し,陳旧性の瘢痕化したものが多くなっている.これに伴い,病理学的,あるいは細菌学的に裏づけのある確診例は減少し,内視鏡所見,X線所見,臨床経過などからの疑診例が増加する傾向にある.このような意味では,大腸結核は診断の困難なものである.しかしながら最近では,病理学的,細菌学的な裏づけがなくとも,内視鏡所見,X線所見から積極的に診断しようとする傾向も出てきている1,2).今回は,この大腸結核の内視鏡像を紹介する.

教養講座・比較生物学 生命と環境との調和

水と電解質—腎機能の進化を中心に

著者: 折田義正

ページ範囲:P.413 - P.416

はじめに
 今からちょうど100年前の1878年,Claude Bernardは「動物は二つの環境を持っている.すなわち動物が存在している外部環境milieu extérieurと臓器組織の各部分が生きているmilieu intérieurである.高等動物は真の意味でmilieu extérieurに生きているのではない.milieu intérieurという体液はすべての組織を灌流しており,これにはリンパ液,血漿などが含まれる」と指摘した.この文章はHalldaneにより「このような含蓄深い文章が生理学者によって書かれたことはない」と評価されており,事実,動物の体液をこのように深く洞察したことは驚異に値する.
 現在の進んだ測定技術によって,ヒトその他の動物の細胞内液と細胞外液の間に,成分に大きな差異のあることが明らかとなってきた.この細胞外液,内液の成分の恒常性を保つことは,代謝,遺伝情報の伝達とならんで,生命にとって重要な問題であり,この問題の解決の仕方を学ぶことは,生命への理解を深めることとなろう.

連載

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.438 - P.444

Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・3

尿pH(水素イオン濃度)

著者: 河合忠

ページ範囲:P.418 - P.421

尿pHの検査法
 尿pHを測定するには大きく2つの原理が用いられる.すなわち,1っは指示薬を用いてその色調の変化から判定する場合と,他の1つはH+(水素イオン)濃度をpHメータにより電気的に測定する方法である.臨床的には前者が広く使われている.リトマス紙は酸性尿で赤色を呈し,アルカリ性尿で青色を呈するが,現在ではほとんど用いられない.試験紙法ではプロムチモールブルーとメチルレッドを混合して試験紙に滲み込ませてあるので,幅広い範囲にわたってpH(5〜9)を測定することができる.試験紙を被検尿につけて一定時間(30〜60秒程度)の後に判定表の色調と比較する.

話題の新薬

ヤマシリン Yamacillin(山之内製薬)

著者: 中川圭一

ページ範囲:P.422 - P.424

はじめに
 Ampicillinが広領域スペクトルのPenicillin(以下PC)として登場して以来,もはや10年以上も経過している.この間Ampicillin(以下ABPC)の側鎖をいろいろかえることによって抗菌力の増強あるいは抗菌スペクトルの拡大が行われ,Carbenicillin,Sulbenicillin,Amoxicillinなどの新しい半合成PCが開発された.一方において,ABPCの易吸収性を高める物質が探索され,Pivampicillinというesterが開発されたが,本剤はその毒性の点で難点があり,日の目をみないでいる.山之内製薬研究所においても同じような研究が進められ,Yamacillin(一般名Talampicillin hydrochloride)が開発された.
 Talampicillin(以下TAPC)は易吸収性の新しいAmpicillin誘導体でABPCのPhthalidyl esterである.構造式は図1に示すごとくである.このものは経口投与後すみやかに腸管粘膜から吸収され,ただちに非特異的なesteraseにより水解され,ABPCとなって生体内で抗菌活性を発揮する.

プライマリー・ケアの実際

輸液療法の実際

著者: 宮里不二彦

ページ範囲:P.425 - P.427

 輸液療法に関して内科臨床上重要な若干の問題について概説する.

外来診療・ここが聞きたい

抗生物質の使い方—慢性胆のう炎を中心に

著者: 国井乙彦 ,   西崎統

ページ範囲:P.428 - P.431

症例
 患者 K. T. 60歳,主婦.
 現病歴 約3年前にくり返す発熱,黄痘と嘔吐で近医に入院,胆のう炎の診断で内科的治療を受けた.その後も発熱,黄疸をくり返しており,2年前から本院に通院している.時々の外来にて検査を行っているが,X線検査で胆のうは淡く造影されている.いずれにしろ,くり返す胆のう炎で手術をすすめているが,現在は家健の事情で拒否している.

図解病態のしくみ 脳卒中・2

脳梗塞の成り立ちと循環動態

著者: 吉田茂

ページ範囲:P.434 - P.435

 脳梗塞は脳血栓と脳塞栓に分けられる.脳塞栓は心臓疾患(僧帽弁膜症,心筋梗塞,心房細動など)が基盤となり,心臓より送られた栓子が脳にひっかかる場合をいい,脳血栓は脳内または脳への流入動脈の動脈硬化性病変に起因する血栓を指していた.しかし,最近では脳血栓の成因・病態面から脳塞栓と区別できないことが多いので,一括して脳梗塞という診断名が広く用いられている.

内科臨床に役立つ眼科の知識 カラーグラフ

見ておきたい眼底所見(その3)

著者: 松井瑞夫

ページ範囲:P.436 - P.437

 今まで2回にわたって(vol. 14 no. 1,vol. 15 no. 2)いろいろな全身疾患のときにみられる眼底病変を供覧したが,今回は,正常所見のばらつきや,とくに病的意義のない異常所見を示す眼底写真を供覧しようと思う.眼底検査を行って異常所見をとり出し,それの臨床的意義を明らかにするためには,今回供覧するような正常所見や病的意義のない異常所見について,十分理解をしておく必要があるからである.

天地人

マチュピチュの少年

著者:

ページ範囲:P.445 - P.445

 最近,中南米を旅行する機会があった,わずか2週間ではあるが,ブラジル,アルゼンチン,ペルー,メキシコなどを回り,夏の日射しに一皮むけて帰ってきたときには,暖冬異変も終わり,寒さが身にしむ頃であった.写真を整理しながら,リオデジャネイロのコパカバーナの海岸,素晴らしかったポン・デ・アスカルの山,コルコバードの山頂に立つキリスト像,イグアスでの世界最大の瀑布,ブエノスアイレスでの美しい町並,ペルーでのクスコやマチュピチュなどのインカの遺跡,メキシコ・シティーの美しい広場や公園,テオテイワカンのピラミッドなどを懐しく思い出している.こうした風景や遺跡は,それぞれが目に焼きつき,写真を見返せばそれなりの感慨にひたることができる.しかし,マチュピチュで会ったインディオの少年達のことは,何か生々しい体験として甦ってくる.
 マチュピチュはクスコからさらに入ったところにある.クスコは標高3430mの高地に栄えたインカ帝国の首都であったが,1533年わずか180人のスペイン人によって征服され,破壊しつくされた悲しい歴史を秘めた町である.クスコからの観光列車は1日1便で,朝7時出発である.アンデスの山並を眺めながら,アマゾンの源流であるウルバンバ河沿いに下ること3時間半でマチュピチュ駅につく.

私の本棚

新しい腎臓病学への導きとなる本—G. M Berlyne著—プログラム学習・腎臓病学入門

著者: 柴田一郎

ページ範囲:P.432 - P.432

 終戦直後,なかなか復員させてもらえず,呉海軍病院で退屈な毎日を送っていた頃,私はたまたま持っていた戦前の名著として定評のあった佐々廉平先生の腎臓病の大冊を読み通して,出撃だ玉砕だといっていた雰囲気の去ったばかりの空虚な士官次室で,学問に対する静かな充足感とともに,生きていてよかったという喜びをつくづく感じたことがあった.この古典的な懐しい佐々先生の本は今でも家にある.
 その後しばらくの間,腎臓病についてはかなりわかったつもりでいたのだが,最近,ことにこの10〜20年の間に,病態生理,免疫,電顕などの発達をとりいれた新しい腎臓病学の発展には著しいものがあった.と同時に,非常に難解なものになってきたことも拒めない事実であろう.

オスラー博士の生涯・58

オックスフォード大学欽定教授としての第1年目(1905〜1906年)

著者: 日野原重明

ページ範囲:P.446 - P.449

 1905年5月にオックスフォードに赴任してから,約半年がまたたく間に過ぎた.その年の10月12日には,ロンドン市のGuy's Hospitalで,オスラーは自分の最も尊敬していたトマス・ブラウン卿についての公開講演会を行っている.

診療相談室

潰瘍性大腸炎とブドウ膜炎との関係および治療法

著者: 川上澄

ページ範囲:P.450 - P.451

質問 潰瘍性大腸炎の合併症と考えられる眼疾患(ブドウ膜炎)との因果関係と治療法についてご教示下さい.
 なお,種々の所見は以下のとおりです.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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