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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻3号

1978年03月発行

文献概要

今月の主題 胸痛の診かた・とらえかた 胸痛の検査法

胸部X線

著者: 松山正也1

所属機関: 1東海大放射線科

ページ範囲:P.338 - P.341

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はじめに
 胸痛のなかには比較的軽症で通常の吸気で立位背腹撮影にたえられるものから,激烈な痛みのため仰臥位または半座位で,しかも不十分な吸気での撮影に頼らなければならないものまで種々である.いずれの撮影によるにしろ,撮影の条件を一定にして行うことが写真評価の上できわめて大切である.通常用いられる立位での胸部X線撮影はX線焦点-フイルム間距離(FFD)2mで,またポータブル装置による臥位または半座位撮影では1mで撮影が行われることが多い.これはとくに,心・血管の状態を写真上で検討する上できわめて重要であり,撮影のたびごとにFFDが変化したり,撮影の方向が変わったりしては,疾病の経過観察に大変不利である.
 また,撮影時の呼吸の位相も一定にしておかなければ,横隔膜の位置によって心横径や肺血管のパターンが変化して診断が困難になる.一般に,胸部撮影が吸気で行われるのは,肺を十分に拡張させることによって肺野の所見をより多くとらえることができるようにするほかに,一定の呼吸位相をねらうためである.厳密には,深吸気での呼吸停止ではバルサルバ効果をきたして肺血流量が減少するわけであるが,日常の診療上では特別なバルサルバ呼吸を行わないかぎり,心・肺血管にX線上さほど影響を与えないと考えてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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