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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻3号

1978年03月発行

文献概要

教養講座・比較生物学 生命と環境との調和

水と電解質—腎機能の進化を中心に

著者: 折田義正1

所属機関: 1阪大第1内科

ページ範囲:P.413 - P.416

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はじめに
 今からちょうど100年前の1878年,Claude Bernardは「動物は二つの環境を持っている.すなわち動物が存在している外部環境milieu extérieurと臓器組織の各部分が生きているmilieu intérieurである.高等動物は真の意味でmilieu extérieurに生きているのではない.milieu intérieurという体液はすべての組織を灌流しており,これにはリンパ液,血漿などが含まれる」と指摘した.この文章はHalldaneにより「このような含蓄深い文章が生理学者によって書かれたことはない」と評価されており,事実,動物の体液をこのように深く洞察したことは驚異に値する.
 現在の進んだ測定技術によって,ヒトその他の動物の細胞内液と細胞外液の間に,成分に大きな差異のあることが明らかとなってきた.この細胞外液,内液の成分の恒常性を保つことは,代謝,遺伝情報の伝達とならんで,生命にとって重要な問題であり,この問題の解決の仕方を学ぶことは,生命への理解を深めることとなろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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