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話題の新薬
ヤマシリン Yamacillin(山之内製薬)
著者: 中川圭一1
所属機関: 1東京共済病院内科
ページ範囲:P.422 - P.424
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Ampicillinが広領域スペクトルのPenicillin(以下PC)として登場して以来,もはや10年以上も経過している.この間Ampicillin(以下ABPC)の側鎖をいろいろかえることによって抗菌力の増強あるいは抗菌スペクトルの拡大が行われ,Carbenicillin,Sulbenicillin,Amoxicillinなどの新しい半合成PCが開発された.一方において,ABPCの易吸収性を高める物質が探索され,Pivampicillinというesterが開発されたが,本剤はその毒性の点で難点があり,日の目をみないでいる.山之内製薬研究所においても同じような研究が進められ,Yamacillin(一般名Talampicillin hydrochloride)が開発された.
Talampicillin(以下TAPC)は易吸収性の新しいAmpicillin誘導体でABPCのPhthalidyl esterである.構造式は図1に示すごとくである.このものは経口投与後すみやかに腸管粘膜から吸収され,ただちに非特異的なesteraseにより水解され,ABPCとなって生体内で抗菌活性を発揮する.
Ampicillinが広領域スペクトルのPenicillin(以下PC)として登場して以来,もはや10年以上も経過している.この間Ampicillin(以下ABPC)の側鎖をいろいろかえることによって抗菌力の増強あるいは抗菌スペクトルの拡大が行われ,Carbenicillin,Sulbenicillin,Amoxicillinなどの新しい半合成PCが開発された.一方において,ABPCの易吸収性を高める物質が探索され,Pivampicillinというesterが開発されたが,本剤はその毒性の点で難点があり,日の目をみないでいる.山之内製薬研究所においても同じような研究が進められ,Yamacillin(一般名Talampicillin hydrochloride)が開発された.
Talampicillin(以下TAPC)は易吸収性の新しいAmpicillin誘導体でABPCのPhthalidyl esterである.構造式は図1に示すごとくである.このものは経口投与後すみやかに腸管粘膜から吸収され,ただちに非特異的なesteraseにより水解され,ABPCとなって生体内で抗菌活性を発揮する.
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