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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻3号

1978年03月発行

文献概要

天地人

マチュピチュの少年

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所属機関:

ページ範囲:P.445 - P.445

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 最近,中南米を旅行する機会があった,わずか2週間ではあるが,ブラジル,アルゼンチン,ペルー,メキシコなどを回り,夏の日射しに一皮むけて帰ってきたときには,暖冬異変も終わり,寒さが身にしむ頃であった.写真を整理しながら,リオデジャネイロのコパカバーナの海岸,素晴らしかったポン・デ・アスカルの山,コルコバードの山頂に立つキリスト像,イグアスでの世界最大の瀑布,ブエノスアイレスでの美しい町並,ペルーでのクスコやマチュピチュなどのインカの遺跡,メキシコ・シティーの美しい広場や公園,テオテイワカンのピラミッドなどを懐しく思い出している.こうした風景や遺跡は,それぞれが目に焼きつき,写真を見返せばそれなりの感慨にひたることができる.しかし,マチュピチュで会ったインディオの少年達のことは,何か生々しい体験として甦ってくる.
 マチュピチュはクスコからさらに入ったところにある.クスコは標高3430mの高地に栄えたインカ帝国の首都であったが,1533年わずか180人のスペイン人によって征服され,破壊しつくされた悲しい歴史を秘めた町である.クスコからの観光列車は1日1便で,朝7時出発である.アンデスの山並を眺めながら,アマゾンの源流であるウルバンバ河沿いに下ること3時間半でマチュピチュ駅につく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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