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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻4号

1978年04月発行

今月の主題 新しい糖尿病の臨床

トピックス・成因

Virus感染

著者: 林皓三郎1

所属機関: 1東大医科研病理

ページ範囲:P.504 - P.506

文献概要

 糖尿病の成因については,その遺伝的背景が発症に関係するとされ,近年とくにあるTypeのHLAとの相関が問題になっている.若年性インスリン依存性糖尿病では,HLA-B 8,BW 15,BW 54,DRw 4×7,DRw 3などとはpositiveの,B 7とはnegativeの関連があるという書しかし,インスリン依存性糖尿病におけるHLAに関連した糖尿病発症遺伝子の作用機序は,なお不明である.一つの可能性として,ある種のvirusが感染するとき,β細胞上のHLA抗原がvirus感染のreceptorとして働き,感染の成立およびβ細胞の障害を起こすのではないかという仮説が出されている.また,virus抗原とHLA抗原がβ細胞上で結合し,これが新しい抗原決定基として働き,autoimmune processをひきおこすといった考えも出されている.
 しかし,これまでのところ上記のprocessを支持するようなvirus感染と,糖尿病についての具体的,直接的な証拠はみつかっていない.Mumps,Coxsackie B群(とくにB1,B4),Rubellaなどのvirusが,これまでのところ,糖尿病との関連を疑われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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